ドームのプランをもっと良くしてみた

ドームハウスらしい良いプランとはどういったものなのか、
昔のプランを元にお話してみたいと思います。

と言うのも、
プラン集に様々なプランを載せ始めてから、
もう何年も経ってしまっています。

その間、おかげさまで
毎年何棟かづつのドームハウスの設計に携わりました。
そうしているうちに、
ドームハウスのプランニングはこうあるべきだ、
というのが少しずつ私の中で変わってきました。

実のところ、
ドームはドームらしくないと意味が無い!
と思うようになってきたのです。

ドームハウスを建てたい、
ドームハウスに住みたい、
という夢を抱えていらっしゃる方々に、
ご希望通りの、
いわば施主さんのお考え通りのプランを作ってあげたいとは思います。

しかしながら、
その考え方は四角い家での考え方であり、
ドームには向いていませんよ、
ドームの意味がなくなってしまいますよ、
とご理解頂くのも大事なことだと思うのです。

折角つくるのですから、
100%ドームを感じられる、
素晴らしいあなただけのドームハウスにしたいですよね。

 

そこで、
ドームハウスらしいプランとはどういったものなのか、
古いプランを元に訂正解説していきたいと思います。

●1階 平面図

 

●2階 平面図

 

 

さて、このプランは
直径10m、 37坪 のフラードームです。

9mドームの2階に二部屋つくると、
かなり狭くなってしまうため、
10mにして2階に二部屋、
という流れになることが多くあります。

出来れば3部屋。
二部屋+1スペース確保したい。
尚且つ、
それぞれの部屋に収納を、
という要望を詰め込んだのがこのプランです。

見た目は上手く2階に3部屋入っている様に見えますが、
ドームハウスには適していない平面計画になってしまっています。

 

平面図からでは全く気が付かないのが、
ドーム天井の低さです。

紫色に囲った部分、
ここは2階の床から緩やかに上がっていくドーム天井が、
低く部屋側に迫っている所。
立つことが出来ません。
頭を天井にぶつけてしまう部分なのです。

和室だと座って過ごす、
またベッドの足側では
ベッドの高さ程度の天井高があれば使用することは出来ますが、
しかしやはり狭いです。
立てない部分は部屋として考えない方が安全です。

また、
収納も紫色の中の収納は、
三角の天井が、低く下がってきている為、
扉を付けることが難しい。
同様に収納内に棚を付けることも難しいです。

難しい所は施工するのも大変で、
手間ばかり、
つまり費用ばかり掛かってしまいます。

天井が低い部分は、
何も作らず、ただ広くしておく。
そうすることによって
目線が床の隅まで伸びて行き、
天井は低くても広さを感じることが出来ます。

このプランの様に、
玄関ポーチ(玄関ドアの外)の上に屋根が付くのであれば、
収納はドームから追い出し、
玄関ポーチ上、屋根の内部に作ることをお勧めします。

これは何度かやりましたが、
かなり効果的でした。

 

最後に
このプランの最ももったいない部分、
ドームの良さを半減してしまっているところは、
2階の吹き抜けに面した壁にあります。

2階に、完全に閉め切れる個室を2室つくりたかった為、
このような平面案になってしまったのですが、
2階の吹き抜け側の壁は、
1階から見上げる景色を同時に作っています。

2階を個室化したことによって、
1階から見上げるドームらしい景色
全て潰してしまう結果になってしまっています。

どういうことかと言いますと、
ドームハウスの良さは、
1階から見渡せるダイナミックな天井の景色にあります。

 

プランの1階、
ソファーの前に立って見上げた時に、
自分の後ろから立ち上がっているドーム天井が、
緩やかに頭の上を通り越し、
ドームのてっぺんに向かって上がっていく。

そして、
6~7m上、
最上部を超えた天井が、
向こう側へとさがり下りていく景色を
一度に同じ位置から見渡せることが、
ドームハウスにとって一番大切な空間づくりであり、
設計デザインのテクニックです。

そういった天井の景色を見上げると、
人は自然に上を向き、
胸部骨格を開き、
大きく呼吸をすることになる。

ドームハウスが
気持ちの良い空間であることの理由は、
このように建築空間が
人へ大きな影響を与えている所に起因します。

 

しかしながらこのプラン、
1階からドーム天井を見上げた時に、
見える天井が余りにも少ないです。

2階の床を広くしてしまい、
吹き抜けを極端に狭くしたことも
同時にその原因になっていますが、
2階左右の個室が
真ん中の階段空間ぎりぎりまで張り出しているため、
向こう側へと下がってくドームの天井がほとんど見えません。

1階から見上げた時に、
見える天井が少ないプランは、
ドーム空間を感じることが出来ません。

 

例えばこのプラン、
こうしてみればどうでしょう。

  • 2階は個室一部屋に
  • 真ん中の畳の部屋はなくす
  • 片方の部屋のみ個室化できるようにして、もう一つはオープンな部屋に
  • オープンな部屋の吹抜側は、腰壁か手すりのみに
  • 結果、吹き抜け面の壁が半分だけになり、ドーム天井が見渡せるようになる
  • もし個室が足りないようであれば、1階にエクステンションを追加しそこに

極力2階は、
だだっ広くしておくのが正解だと思います。

ドームらしく。

 

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。