構造材


日本の木造住宅は、その工法、作り方によって分けることができます。 柱(縦方向の構造材)と梁(横方向の構造材)をグリッド状に組み立てて、そこに内外の壁を張っていく「在来工法」。 柱や梁はなく、地面で寝かせた状態で壁パネルを先につくり、出来上がった面状のパネルをパタパタと起こして四角い家の形に組み立てる「壁式枠組み工法」(ツーバイフォー工法)。 横にした丸太を積み上げて壁にする、「丸太組工法」(ログハウス工法)などがあります。 この中で最も多く採用されているのが在来工法です。 ツーバイフォー工法は、戦後の高度経済成長期にアメリカから取り入れられた工法ですので、外来の工法とも言えます。

在来工法の場合は、基礎の上に土台を敷き、土台の上に柱を立てて、柱の上に梁を載せます。 2階建ての場合はその上にまた柱を立て、同じく梁、そして屋根を載せます。

通常、柱を105mm角(3.5寸角)とする場合は、その下にある土台も、上にある梁も、全て105mmの巾となります。 120mm角(4寸角)とする場合は、土台も梁も、120mmの巾のものを使います。 柱や土台は、105mm角であれば、巾も高さも105mmですが、梁はその梁がどれくらいの重さを支えているかによって、その高さである梁成(はりせい)が異なります。 120x120の場合もあれば、120x300という場合もあります。 普及している日本工業規格の梁材の梁成は、最大390mmですので、120x390という大きな梁がある場合もあります。

さてここで、105角と120角、柱だけのことを考えるとその巾はほんの15mmの差しかありません。 15mm、人差し指の巾くらいでしょうか。 大した違いはなさそうに感じますが、木材の価格はその容積によって決まります。 105角と120角の容積の違いを計算すると、105角柱より120角柱の方が、3割容積が大きくなります。 100万の3割増しは130万になり、200万だと260万になるのが、その容積の差ということになります。

大した違いはなさそうに感じますが、あまり気にすることの無い梁のことを考えてみると、大きな違いになることを感じ取れるのではないかと思います。

だから105mm角が安くて良いという事ではありません。 105巾仕様の家と、120巾仕様の家では、耐震強度が異なります。 柱も梁も、太い方が、また梁成が大きい方が強い家になります。 105mmとする場合は、そのサイズでも耐震強度が確保できる設計とする必要があります。

次に、これら柱や梁となっている構造材に何が使われているかも大切です。 土台はヒノキやヒバが多く、クリを使うこともあります。 湿気に強く、防虫効果がある材料を使います。 柱はヒノキが多く、梁に関しては、赤松や杉をよく使います。 しかしこれらの良く聞く名前の木材、実は国産ではなく、輸入材を使っている家がほとんどです。 ヒノキやヒバは米ヒ、米ヒバ。 杉は米杉(ウェスタンシダー)、松は米松。 その他、ダグラスファー、ウェスタンラーチ、レッドシダー、スプルス、ホワイトウッド、イエローシダー、パイン、、、数多くの樹種が世界中から輸入され、国産材よりも安い価格で流通しています。
値段が安いため、ハウスメーカーや多くの工務店は国産材を使わず、どこに行っても米松だらけの家づくりとなってしまっているのが現状です。 また、使われないために日本の林業は衰退し、国中の桧や杉の山が荒れてしまっています。 少しくらい高くなっても、わざわざ外国から石油を使って持ってきたものではなく、日本の気候で育った国産材を使いたいと言ってくれる施主さんや工務店さんも増えてきましたが、それでもまだまだ輸入材の方が多いのが現状です。 出来れば県産材、難しければ国産材を使って家づくりをし、それが日本の荒れた森を資源に変えていく事につながる様な家づくりをしたいと思っています。

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。