家を建てる前に必要な最大の準備は?
家を建てる前に必要となることはいろいろとありますね。
資金計画を立てたり、
土地を探したり、
建ててくれる人を探したり。
家のつくり方にはいろいろな道筋があります。
住宅展示場で見学し、
カタログから選んで買うことが出来るハウスメーカーさん。
ある程度の要望を伝えながらつくってもらえる、
地域のビルダーさんや工務店さん。
こういった家づくりの中からはなかなか見えてこない方法として、
設計事務所にお願いするという道もあります。
私たちは「ドームハウスの専門家」として活動していますが、
ドームハウスを売っているハウスメーカーではありません。
実は設計事務所なのです。
なぜ設計事務所がドームハウスを手がけているのか。
どうして設計の専門家が必要なのか。
今日はそんな話を。
ドームハウスはひじょーに希な家づくりの形態です。
和風でも洋風でもログハウスでもコンクリートの家でも、
経験から何となくこうやって作ればいいんだろうなあ、
ということが想像できるのが普通です。
しかし、ドームハウスのつくり方となると、
ほぼ誰も分かりません。
プロでも分からない。
設計となるとどこから手を着けたものか。
更に構造計算ともなると、、、
こういった難しい家づくりに必要となる
最も大切な事が「設計」なのです。
家づくりを始める前に準備をしっかりしておかないと、
着手したは良いけれど、
途中で工事が止まってしまった、
部品はあるのに建てられなくなってしまった、
役場の検査に落ちてしまった、
といろいろと、心配なことが起こり得ます。
DIYで自分で作ろう、
と頑張っている人も世の中にはたくさんいらっしゃいます。
もしかするとあなたもそうかもしれませんね。
パネルを60枚作って、
クレーンをお願いして、
組み立てていけば良いんでしょ。
前に載ってたよねー
パネルくらいなら簡単に作れそうだし。
そうです、私もそうでした。
そんな夢を見て、都会から山の中に移り住んできた訳ですし。
で今回は、
設計という作業の中でも、
なかなか見えにくい部分である基礎工事の話を元に、
設計の必要性をお伝えしたいと思います。
(‘◇’)ゞ
さあ、土地が手に入りました!
山の中の一等地。
隣は遠いし、裏には沢が。
カッコウにフクロウ、鹿も見かける大自然。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2019/12/P2110010s.jpg)
まず必要となることは、
どこに家を建てるかを決めなければなりません。
駐車場や花壇、小さな畑もつくりたいです。
しかしだだっ広い森の中ではどこに建てればいいのか、
どこの何を調査すれば良いのか分かりません。
そこで周りを見渡せるようにするために、
まずは伐採をします。
コツコツと一本一本切っていく方法もありますが、
大木を切り倒すのはとても危険な作業です。
通常はプロに頼みます。
こんな感じ。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2019/12/IMG_4761s.jpg)
重機を入れて、時にはクレーンも入れて切り倒していきます。
数日であっという間に視界が広がり、
こんなに広かったんだ、、、
と新たな土地の顔が見えてきます。
きれいに整地できたところで、
だいたいこの辺に家を建てようかな、
と家の位置を決めますよね。
しかし、、、
だいたいではダメなんですね。
ここはしっかりと、
どの境界杭から何メーター何センチの所
と言う具合に決めなければダメなんです。
なぜかというと、
建てる前にその位置、
建物が載っかる「地盤の強度」を計る必要があるからなのです。
この土は、これくらいの地盤強度がある。
何トンまでなら上に載せても大丈夫だけど、
それを越える重さの物を載せてしまうと、
将来地面が沈んでいってしまう。
ということを建てる前に知っておく必要があります。
これが求められる、はじめの考察事項になります。
そして次に必要となることは、
「基礎を作るために必要なことを考える!」
ですね。
どうやって森に家を建てるか。
ここは山の中。
木を切るまでよく分かりませんでしたが、
よく見ると土地に勾配があります。
これが計ってみないと
なかなか気が付かないものなのです。
特に隣の家や塀などの工作物が近くにない場合は、
水平の基準となるものがないため、
地面の緩やかな傾きを把握することが出来ません。
計ってみたところ、
建てる家の端と端で1mも高低差があったというのはよくあること。
それくらい気付かないものなんですね。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2019/12/P8220348s.jpg)
ここもそう。
掘ってみると分かりやすいですが、
右の地面の方が高いですね。
さて、
Q.どこまで地面を掘れば良いのでしょう?
この写真が問いの答え。
ですが、よく分からないですね。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2019/12/P8220362s.jpg)
これはドームハウスを建てるための基礎工事、初期の写真です。
奥に丸いドームが載っかります。
手前は四角いエクステンション。
ドームの周りだけが深く堀り込んでありますね。
どこまで掘るか、基礎のRC構造体の深さを決めることはとても大事。
土地がある地域の標高は何メートルか。
最低気温はどれくらいか。
雪はどれくらい降るのか。
地面の中で水が凍ってしまうのは、地盤下何センチまでなのか。
そんな気象条件等によって、基礎の深さは決まります。
勿論、建物の重さも重要です。
人や家財道具も含めて、家自体の重量が何トンになるのか知る必要があります。
しかし、特に標高の高い山の中では、気象条件が結構大事。
そんなことを計算するのも、設計の一部なんですね。
え? そんなことまで、、、
そうです、そんなことまで考えないと家は建ちません。
この写真までの基礎工事をするには、
・伐採をする。
・建物の配置を決める。
・地盤調査をする。
・気象条件によって深さを決める。
だけじゃなく実際は構造計算をするんですが、ややこしいので今回は省略。
・そしてやっと掘る。
・床付け(とこづけ)する。
(基礎の載る、掘った下の地盤面を平らにきれいに均す事)
・採石、割ぐり石を入れる。
・機械で転圧し固める。
・場合によっては防湿シートを敷く。
・捨てコンクリートを打つ。
・配筋をするために、図面通りに墨を打つ。
(基礎の絵を捨てコンの上に描いていく事)
そして、やっとこの写真になります。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2019/12/P8220362s.jpg)
ここまでが基礎作りの前段階です。
現場でこの作業をしている間に、
加工場で鉄筋や型枠の加工を同時に進めています。
そして、
細かいプロの作業は省略しますが、
基礎屋さん、配筋屋さん、型枠屋さん、
時に設備屋さん、電気屋さん、左官屋さんが
わーーーーっと入って、
基礎を作っていくことになります。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2019/12/P9190029s.jpg)
みなさんが何を元に作るかというと、構造計算と実施図面。
基礎を作り始めるだけでも、1ヶ月から3ヶ月の「設計する」という準備期間が必要となります。