安い家 と 高い家 の違いって?
良い家の基準は人それぞれ異なります。 住宅の広告やホームページを見ると、設備や仕上げのことがよく載っています。 住宅展示場でも、目に出来る物は分かりやすく、外壁やキッチン、照明器具や床壁天井の材料に目が行き、また説明もしてもらえます。
これで坪○○万円と聞き、安いかも、と判断することもあるでしょう。
木造住宅の価格を決めている要素って、何があるのでしょうか? あなたの今住んでいる家の中を見回すと、多くの材料や商品が使われています。 屋根、基礎、床壁天井だけでなく、畳と壁の間にある小さな木の棒状のもの(畳寄せ)とか、天井と壁がくっつく角の小さな角材(天井回り縁)。 コンセントのカバー、ハンガーを掛けている棒、蛇口、膨大な部品の集まりが家です。
どこにどんな材料が使われているのかによって、家の値段が決まります。
では、安い家 と 高い家 は、どこが違うのでしょうか?
分かりやすく比べられるところを表にしてみました。
安い家 | 高い家 | |
構造材 | 輸入材 | 国産材 |
構造サイズ | 105角 | 120角 |
面材 | チップボード | 無垢板や構造用厚板 |
下地 | ボード | 無垢の木摺り板 |
床 | 印刷合板、突き板フローリング | 無垢板フローリング |
壁・天井 | ビニールクロス | 漆喰や珪藻土のコテ塗り |
家具 | MDF合板、プラスチック | 無垢板 |
土間・ポーチ | モルタル、擬石 | 天然石、タイル、たたき |
断熱材 | 薄くぺらぺらのグラスウール | 高性能グラスウール、吹き付け断熱材、天然ウール断熱材 |
気密通気構造 | なし | あり |
浴室 | 大量生産ユニット品 | 造作もの |
これら建物に使用する材料や工法は、全て設計で決めることです。 プレハブ住宅は工場のラインで生産をするため、全ての建材が決まっています。 また、ハウスメーカーさんは、系列会社の商品を使わなければならなかったり、クレームの出ない作り方しか採用していないため、選択の自由度は低くなってしまいます。
例えば、無垢の板材は乾燥でひび割れがきます。 珪藻土も乾燥時や、地震の揺れを建物が吸収した際にひび割れます。 コテ塗り材は職人の腕に左右されることもあるため、ハウスメーカーでは誰が施工をしても同じ仕上がりになる外壁材しか使いません。 家を構成する材料は、耐震強度や住み易さ、デザインだけでなく、そういった会社の都合で決められている材料も多くあります。
そんなことが分かった上で家づくりを考えてみると、どこに価値を置くかによってあなたの「家の値段」や「在り方」「方向性」が決まってくる事に気が付きます。 安く作ることを追求すれば、安い家は造れます。 家族の健康を第一に考えると、そういう家に。 また、構造強度を最大限にすることも出来ます。 自由に家をつくる。 自由に考え、賢く選択する。 その決定権は住宅メーカーや設計者ではなく、あなたにあります。
では、どうすれば賢く選択することが出来るか。 理想の家づくりを考えるために知っておかなければならないことを、次回からお話しますね。