Miniドーム の組み立て(4日目~)

 

 

これ、見た目ほとんど完成じゃないですか!?

一つ目型Windowがカッコイイ Miniドーム
黒いアスファルトシングル屋根仕上げが引き締まって見える、親子での利用がピッタリなグランピングドームです。

しかし、富士山の気象はやたらと激しかったのです。
季節変わりの春先、
雨だけで無く台風なみの強風が容赦なくテント生地に襲いかかり、
骨組みの少ないテント屋根を、バタバタと激しく千切れんばかりに引っ張り続けました。

ステンレスのフラットバーでガチガチに固定していた白テントは、幸いずれたり外れたりすることなく、数日間の嵐にも耐えきってくれました。
強風にも耐え得ること、暴風雨でも問題がないことが分かり少し安心しました。

がしかし、テント生地一枚の屋根の上に、大量の水が溜まってしまっていたのです。
10リットルか15リットルか、、、
相当な重さです。

水の屋根荷重に引っ張られ、テント生地がどうも伸びてしまったようなのです。
パッツンパッツンに引張って固定したにも関わらず。

やっぱり、水の荷重が掛かり続けるって相当なんですね。
後ろの窓周りも、なんとなくフニャフニャになってしまった様にも見えます。

そこで、二つの対策を考えました。

まず一つ目は、
テント屋根を支えている鉄骨梁に天井をはめ込み、屋根の上に水が溜まらないようにすること。

天井材をどうするかいろいろと考えましたが、折角テント生地で光を通すようにしてあるため、少しでも多くの光を取り込める洋風の格子とすることに。
いわゆるラティスですね。

出張作業は時間との勝負です。
既製品を現場でカットし、枠を組み直してピッタリサイズに加工することにしました。

鉄骨梁にアングルを取り付け、ビスで固定していきます。

 

そして二つ目の対策。

フニャフニャしてしまっている裏側には大きな窓があるため、ある意味仕方の無いことですが、こちらにも梁を新たに設置することにしました。

こちらの取り付けは天井よりも大変でした。
ドーム側の外壁(ドーム屋根)は一枚一枚微妙に角度が異なっています。
3本の梁の付け根に円いパイプを固定するには、自由に首を振れる、カメラ三脚の自由雲台のような金物が必要です。
しかし、そんな特殊な金物、見つけ出すことが出来ないのです。

仕方ないので、3Dプリンターで作ることに。
自家製です。

 

 

強度が心配でしたが、PL樹脂で充分強度はあり、インパクトドライバーでビス留めしても全然大丈夫。

設計通り、ピッタリな角度で梁を追加設置することに成功。
3本の梁で、テントにきれいに折り目が出来て、より美しくなりました。

木製ラティスの天井も、白いドーム壁やテントに映えて、少し高級感が出た気もします。

ちなみにドームハウス内部。
床下と天井に断熱材を入れ、天井は音の反射を抑えられるように「有孔シナ合板」仕上げとしました。
よく音楽室とかに使われている、穴の空いた壁や天井の仕上げ材です。

通常は、ドームのフレーム材を隠すように天井を張りますが、今回はオーナーさん達てのご希望により、骨組みの間に天井板を入れ込むように施工。
手間も費用も余計に掛かってしまうのですが、これはホント美しいです。
フラードームだからこその構造美ですね。

一つ目型窓の下にはエアコンを設置。
まっすぐな壁がないので、足元エアコンです。
窓下枠あたりにカウンターを設置し、棚の中にエアコンを隠す予定です。

あとは照明器具取り付けの電気工事が終われば、完成!

このサイズのドームならば、オフグリッドもありですね。
蓄電池と、直流型(電池として利用出来るタイプ)の電源システムを一緒に購入出来るドームセットも準備中ですので、ソーラー発電の独立電源Miniドームも実現可能。

夢が広がります!

こうしてやっとこさ完成にこぎ着けた念願の「Miniドーム・キット」

この夏に向けて、最初の10棟をリリース致します!

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。