家を構成している材料には、多くの工業加工製品があります。 MDF、チップボード、パーティクルボード、合板、、、 新建材と呼ばれているものが多くあります。 何が体に悪いのでしょう?
2003年、24時間換気と言われる法律が出来ました。 これは、24時間365日、換気扇を回しっぱなしにしなさいという法律です。 ゆっくり回しておけば良いと言うものではなく、人が生活する居室の空気を、2時間に1回入れ換えられる量の換気をしなさいということになっています。
つまり、2003年移行に建てられた日本中の全ての住宅は、換気扇が回りっぱなしだということです。 現在は24時間換気扇にスイッチを付けても良くなりましたが、法律発足当初は、スイッチがあると切ることが出来るからとの理由により、電気配線を直接換気扇と結束し、ブレーカーを落とさなければ止めることが出来ない施工を強いられていた時期があるくらいです。
なんてひどい法律なんでしょう。 誰もがそう感じると思いますし、それが自然な感覚だと思います。 では、なぜそこまでしなければならなかったのでしょう。 それは化学物質過敏症を引き起こす、シックハウスが日本中につくられ、社会問題になってしまったからなのです。
塗料や農薬、防蟻材や家具等、様々な原因はありますが、長い時間を中で過ごす住宅に使われてた新建材にも、その原因がありました。 多くの新建材から体に悪い要素が放出されています。
その中心的な存在がホルムアルデヒド。 ホルムアルデヒドはノリや塗料の成分に多く含まれており、10年以上に渡り、放出され続けます。
昔の家は気密性能が低く、ホルムアルデヒドが放出されても、自然に換気されていました。 ところが、高気密の家が増えるに従い、高濃度に汚染された部屋の中で、毒の中だと知らずに暮らしていた多くの人が、シックハウス症候群、化学物質過敏症になってしまったのです。
これを回避するため、国は24時間、換気をし続ければ良いという法律をつくりました。 24時間換気の始まりです。
新建材の規制もされました。 フォースターと呼ばれる、星のマークが4つ並んだ表示をしてある建築材料しか使ってはいけないことになりました。
無垢の木材や天然の石などは問題ありません。 もともと毒素を含んでいないものは、規制対象外です。 合板やノリ、塗料や新材料を使う場合に、フォースターマークがつけられた材料しか使ってはいけないという規制も同時に始まりました。
しかしフォースター製品は、ホルムアルデヒドを含まないのではありません。 放出する量が少ないだけです。 国が決めた量以下しか放出されない建材という意味でしかありません。
勿論、一番身体に良いのは、全てを自然素材で構成することです。 珪藻土なども、その中に防腐剤やノリが入っていると、ホルムアルデヒドが放出されます。 全てを天然素材のみで家づくりをすることは、工業製品での家づくりが容易になった今では、非常に難しい家づくりになってしまいました。
我々も完全自然素材の家づくりを行っていますが、どうしても安価には出来ません。 全てを天然素材で工事をするとなると、素材を変えるだけではなく、構造検討を含めた、設計自体を変えなければなりません。 それが特別な家づくりという時代になってしまっているからなのです。
しかし、完全に全て天然素材とする必要はないのでは無いかと思っています。 ほどほどに使うという判断が必要になります。
こういった知識を全く知らなければ、オール新建材、間違いなしです。 新建材を使わずに家づくりをする事が出来る工務店がどれくらいあるかと言うと、ほとんどありません。 設計者も然りです。 新建材を使わずに家づくりをすると言うことが、現在では非常識と言って良いくらい難しいことになってしまっています。
広告に自然素材の家と詠っていても、実は「自然素材を使用して作られた新建材」の家なのです。
そのような中で、どうやって健康住宅を建てれば良いのでしょうか。 施主自身が勉強をしなければならないことも多くあるのではないかと感じます。 健康な住宅と、家族の健康のために。