我が家の薪ストーブ話(その3)

新たにやって来た四つ足の鋼鉄ストーブ、とっても便利です。

木質の物なら何でも燃やせる。
中が広い。
料理にも使える。
と、いろいろ楽しめそうです。

薪は買ってきた物は別として、自分で割った物は1年以上前から用意しておかなければなりません。 良く乾燥していない薪は、木の内部に湿気を含んでいるため、煙が多く、燃焼温度も高くなりません。 炎の中に入れてしまうと燃えるだろう、と思うものですが、薪ストーブで使う場合、ただ燃えるのと高温で長く燃え続けるのとでは、その暖かさに大きな違いが生じます。

湿った薪が燃えるときは、煙と共に出てくる水蒸気が、炉内の温度を一緒に外に持ち出してしまいます。 そのため、同じように炎が出ていたとしても、高温にはなりません。

木っ端やゴミまで一緒に燃やしてしまいたいと導入した薪ストーブですから、良く乾かした薪の準備も出来ていません。 そこで、裏山から薪になる木を集めてくることにしました。

倒れてしまっている木は多くありますが、土の上に寝転がってしまうと、あっという間に虫や腐敗菌、キノコにやられてぐずぐずになってしまっています。 森の中で倒れてしまった木で、薪になる物はほとんどありません。 そんな中で立ったままで枯れている、立ち枯れの木がたくさんあるのを見つけました。

立ち枯れとは、松食い虫や鉄砲虫にやられてしまい、立ったまま枯れて乾燥している木です。 また、倒れている木が、途中で他の木に寄りかかってしまい、良い具合に空中に浮かんでいる状態で何年も経過してしまっているような木もあります。 これらは、風雨にさらされ、良い具合に乾燥しているデカい薪のようなものです。

新しいストーブ、まずは外で「慣らし運転」を行い、周りの塗料を焼きます。 周りから臭い煙が立ち上がるのですが、この臭いが部屋の中に充満すると頭が痛くなる為、外で燃やし切ります。

今回は、正面の扉にガラス窓が付けたあるため、こんな風に燃えている様子を見ることが出来ます。

このストーブは手前から奥に向かって長い、珍しい構造です。 内部は2階建て。 本体の上の方に鉄板の仕切が設置してあり、大きな炎が直接煙突に入りにくい構造になっています。 1階の奥の方で薪が燃え、その炎や煙は直接煙突に向かうのではなく、手前の扉近くにある通路を通って2階へ上がり、奥の煙突に向かい、そして外へと排出されます。

ストーブの鉄板は分厚い為、いくら高温になっても問題ないのですが、煙突の鉄板はぺらっぺら。 直接炎が煙突に入っていくと危険です。
段ボール紙やベニアは、あっという間に燃え広がり大きな炎を立てて燃えます。 炎返しを越えて煙突に入ることが考えられますので、煙突との接続部分も鋼鉄で作ってもらいました。 煙突の下端にはボルトで簡単に外すことが出来るフタが付いています。 ここを開けると、屋根に登ることなく、室内で煙突掃除が出来ます。 また、接続部内には、手動開閉式のダンパーを設置しました。 煙突の吸い上げが強すぎる時に、ここで吸い上げを調整することができます。

くるっとハンドルを回すと、丸い鉄板が煙突内部で回り、煙突の断面積が小さくなります。 90度回して完全に煙突をふさいでしまうと、鉄板に空けられた小さな穴だけが通路となり、ストーブからの空気の流れを抑制してくれます。 煙突が長く、引きが強すぎる場合は、出口を絞る事によってストーブ内の空気の流れを抑え、薪が燃えすぎることを防ぐことができます。

新しいストーブ生活が始まってから数ヶ月。
ゴミから建築残材、木っ端に立ち枯れの木などを燃やしながら、快適に省エネ生活を楽しんでいました。 そんなある風の強い日、煙が逆流し扉から室内に シュゥーーー っと入ってきたことがあったのです。

煙突が長く、且つ真っ直ぐな我が家の構造では、煙突内の温度差による上昇気流が大きく、ダンパーがなければならないくらい引きが強かったのですが、引くどころか逆流していました。

そんな状態なのに、煙が逆流するなんて。。。

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。