小さなフラードーム小屋をつくる(その1)

机上での様々な考察を楽しんだ次は、
いよいよ作る作業に入っていきます。

窓やドア、庇の考察もまだ完璧ではないですが、
作るに当たって実物のサイズ感をもっと感じておきたいですしね。

 

このフラードームは3種類の三角から出来ています。
5角形と6角形。

三角はいくら並べていっても球にはなりません。
球になるよう、
隣り合う三角の接合部に細工を施す必要があります。

ドーム構造の作り方は何種類かありますが、
ここではパネルを作って、
パネル同士を合わせると自然に球体になっていく、
という作り方にします。

この方法であれば、
パネルを前もって作りためておき、
現場では組み立てるだけ
という方式で施工することができます。

パネル接合部の傾斜をどうすれば良いか?

球体になるように作るには、
全ての端点が球の中心に向かって
傾斜していなければなりません。

各辺を延長すると、中心の一点に集まる角度で、
全ての材の傾斜角を求めるわけです。



そうすると、5角形を組んだ場合は、
球に近づくように真ん中が適切に浮き上がってきます。



これもまた、
角度やカットを間違えると
材と材の接合部に変な隙間が出来てガタつき、
強固なドームになりません。

三角の端部も同様で、
いい加減な設計のドームを見ると、
あちこちに変な隙間が出来てしまっているものがあります。

この微妙な傾斜角を出すのが、
最大の難関でありポイントなんですね。

しかしそんな微妙な数値は、
実は計算だけからは出せないんです。

コンマ何度までの計算値を
3dーcad(三次元キャド)で作図して求めていきます。

また算出しただけではもちろんダメで、
製作するのが一番の問題。
その数値通りに切れないとダメなんですよね。

細かすぎて、手で持つ丸ノコでは全く精度が出せません。

そこで、ちょっと特殊な道具を使います。
レーザーのガイド、デジタル表示付きの優れもの。


レーザーのガイドをピッタリ合わせて、
「斜めの斜め」に材をカットしていきます。

刃の回転角と、刃の傾斜角。
斜めの、斜め。

一度に2方向に傾けた刃で、
角度を決めて軸材をカットします。

切られている材の断面も、実は四角ではなく平行四辺形。
あらゆる部分が斜めなんですね。

大変ですが、この斜めの斜めが最も大事。

そのため、製作には様々な治具を作り、
端部の誤差が極力少なくなるように、
また間違えているとすぐに発見できるようにしています。

鉄板で作った、端部の角度チェック定規

 

一棟の小さなフラードーム小屋に使う三角は100個以上。
軸材は300本以上になります。

結構な本数なんですよね。
大量生産、大量生産。。。

 

 

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。