机上での様々な考察を楽しんだ次は、
いよいよ作る作業に入っていきます。
窓やドア、庇の考察もまだ完璧ではないですが、
作るに当たって実物のサイズ感をもっと感じておきたいですしね。
このフラードームは3種類の三角から出来ています。
5角形と6角形。
三角はいくら並べていっても球にはなりません。
球になるよう、
隣り合う三角の接合部に細工を施す必要があります。
ドーム構造の作り方は何種類かありますが、
ここではパネルを作って、
パネル同士を合わせると自然に球体になっていく、
という作り方にします。
この方法であれば、
パネルを前もって作りためておき、
現場では組み立てるだけ
という方式で施工することができます。
パネル接合部の傾斜をどうすれば良いか?
球体になるように作るには、
全ての端点が球の中心に向かって
傾斜していなければなりません。
各辺を延長すると、中心の一点に集まる角度で、
全ての材の傾斜角を求めるわけです。
そうすると、5角形を組んだ場合は、
球に近づくように真ん中が適切に浮き上がってきます。
これもまた、
角度やカットを間違えると
材と材の接合部に変な隙間が出来てガタつき、
強固なドームになりません。
三角の端部も同様で、
いい加減な設計のドームを見ると、
あちこちに変な隙間が出来てしまっているものがあります。
この微妙な傾斜角を出すのが、
最大の難関でありポイントなんですね。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2020/03/加工図.jpg)
しかしそんな微妙な数値は、
実は計算だけからは出せないんです。
コンマ何度までの計算値を
3dーcad(三次元キャド)で作図して求めていきます。
また算出しただけではもちろんダメで、
製作するのが一番の問題。
その数値通りに切れないとダメなんですよね。
細かすぎて、手で持つ丸ノコでは全く精度が出せません。
そこで、ちょっと特殊な道具を使います。
レーザーのガイド、デジタル表示付きの優れもの。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2020/03/デジタル表示-300x225.jpg)
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2020/03/レーザー-300x225.jpg)
レーザーのガイドをピッタリ合わせて、
「斜めの斜め」に材をカットしていきます。
刃の回転角と、刃の傾斜角。
斜めの、斜め。
一度に2方向に傾けた刃で、
角度を決めて軸材をカットします。
切られている材の断面も、実は四角ではなく平行四辺形。
あらゆる部分が斜めなんですね。
大変ですが、この斜めの斜めが最も大事。
そのため、製作には様々な治具を作り、
端部の誤差が極力少なくなるように、
また間違えているとすぐに発見できるようにしています。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2020/03/カット治具.jpg)
鉄板で作った、端部の角度チェック定規
一棟の小さなフラードーム小屋に使う三角は100個以上。
軸材は300本以上になります。
結構な本数なんですよね。
大量生産、大量生産。。。
![](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2020/03/軸材生産.jpg)