新型フラードームの秘密
Geodesic Dome(ジオデシックドーム)とは、球体を直線で表現する方法により作られた三角形の集合体です。
その設計方法は、内部に黄金比の四角形を交差させて、その頂点を結び、正20面体を描くことから始めます。
正20面体の各辺を均等に分割すると、こんな球体、いわゆるジオデシックドームが出来上がります。
この球体のつくり方には、あまり知られていない秘密があります。
![%e6%96%b0%e6%97%a7%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%bc%e6%af%94%e8%bc%83%e5%9b%b3_1000](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2017/01/新旧フラー比較図_1000.jpg)
上の2つのジオデシックドーム、同じように見えますが、ちょっと違います。
さて、どこが違うのでしょう?
よーく見ると、真ん中の2本の水平ラインが違いますよね!
左はガタガタしていますが、右は直線、まっすぐです。
これ、よく分からないくらいの差ですが、実は大きな違いなのです。
ジオデシックドームを家にする場合、球では家にはなりません。
真ん中からばっさり、上下に切り取ります。
切り取った半球をそのまま平らな地面に置いてみると、、、
![%e6%97%a7%e5%9e%8b%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%bc](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2017/01/旧型フラー.jpg)
左のドームは、さっきのラインが真っ直ぐでないために、
地面との間に隙間が出来てしまいます。
![%e6%96%b0%e5%9e%8b](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2017/01/新型.jpg)
対して右のドームは、ぴったりです。
これが、新型のジオデシックドームです。
考えたのは、勿論、フラー博士。
1947年に発明された初期のジオデシックドームは左のガタガタの方でした。
この理論に基づき、その後、世界各地にフラードームが作られました。
1971年にドームファンの為の本「Domebook2」がアメリカで出版され、
瞬く間に、この手法によるドームハウスが全米に建設されました。
![domebook](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2017/01/domebook.jpg)
Domebook2には、複雑な計算を行うことなく、
簡単な数式によりドームハウスの各辺を算出することができる表が載っています。
この計算方法のお蔭で、簡単にドームハウスが建てられる様になったのです。
長年使われてきたこの旧式のジオデシックドーム理論でしたが、
「各点を最短距離で結び作り出す球体こそが、
本当のジオデシックドームである。」
とのフラー博士による進化した理論により、
新型が考案されたのだそうです。
ネットで目にするドームハウスの多くは、まだまだ旧式のものが多いです。
新型は、旧式ドームほど簡単に設計出来ないからなのではないかと思います。
一度、気にして見てみては如何でしょう?