新型フラードームの秘密
Geodesic Dome(ジオデシックドーム)とは、球体を直線で表現する方法により作られた三角形の集合体です。
その設計方法は、内部に黄金比の四角形を交差させて、その頂点を結び、正20面体を描くことから始めます。
正20面体の各辺を均等に分割すると、こんな球体、いわゆるジオデシックドームが出来上がります。
この球体のつくり方には、あまり知られていない秘密があります。
上の2つのジオデシックドーム、同じように見えますが、ちょっと違います。
さて、どこが違うのでしょう?
よーく見ると、真ん中の2本の水平ラインが違いますよね!
左はガタガタしていますが、右は直線、まっすぐです。
これ、よく分からないくらいの差ですが、実は大きな違いなのです。
ジオデシックドームを家にする場合、球では家にはなりません。
真ん中からばっさり、上下に切り取ります。
切り取った半球をそのまま平らな地面に置いてみると、、、
左のドームは、さっきのラインが真っ直ぐでないために、
地面との間に隙間が出来てしまいます。
対して右のドームは、ぴったりです。
これが、新型のジオデシックドームです。
考えたのは、勿論、フラー博士。
1947年に発明された初期のジオデシックドームは左のガタガタの方でした。
この理論に基づき、その後、世界各地にフラードームが作られました。
1971年にドームファンの為の本「Domebook2」がアメリカで出版され、
瞬く間に、この手法によるドームハウスが全米に建設されました。
Domebook2には、複雑な計算を行うことなく、
簡単な数式によりドームハウスの各辺を算出することができる表が載っています。
この計算方法のお蔭で、簡単にドームハウスが建てられる様になったのです。
長年使われてきたこの旧式のジオデシックドーム理論でしたが、
「各点を最短距離で結び作り出す球体こそが、
本当のジオデシックドームである。」
とのフラー博士による進化した理論により、
新型が考案されたのだそうです。
ネットで目にするドームハウスの多くは、まだまだ旧式のものが多いです。
新型は、旧式ドームほど簡単に設計出来ないからなのではないかと思います。
一度、気にして見てみては如何でしょう?