連休が終わり、年度始めのバタバタも一段落した天気の良い5月の午後、今年度最初の共同研究ミーティングが行われました。
横須賀から程近い横浜市金沢区の広大な敷地内に並んでいる、校舎や実験棟の間を車でジグザクにぬって入り、いつものように校舎の裏に車を停めます。
多くの学生さんであふれている校舎を横目に、シーンと静まりかえった実験棟の階段をこつこつと2階へ。
鉄格子の手すりの眼下には、大規模な建築構造体の実験に使用する機材が所狭しと並び、順番を待っているようです。
今年はこの施設を使って行う、数々の「破壊実験」が待っていると思うと、本当にありがたいと同時にわくわくと胸躍る気持ちを抑えられません。
昨年の夏に行ったフラードーム組立てワークショップに参加してくれた学生さんが、今年は募集を行う前から何人も手を挙げてくれました。
「今年もドームハウスの研究を行うんでしたら、私たちも参加させてください!」と。
それもなんと研究ゼミに参加出来る4年生だけならず3年生まで。
みなさんありがとー。
ドームハウスはその造形がそのまま、構造体そのものを現しています。
余分な柱や梁が全くなく、ドーム全体で力の流れを受け止めてくれます。
建築構造を学ぶにはとても良い素材ですし、何よりも面白い。
構造計算って堅苦しいイメージがありますが、ドームはそれを上回る面白さがある。
そんな魅力が、若い学生さん達にとっても同じだったことがとても嬉しいです。
今年は昨年行った実験データーを元に、更に細かい詳細部分の破壊実験を行います。
木質構造研究者、構造実務設計のエキスパート、構造計算ソフト開発のエンジニア、大工代表の棟梁、そして私意匠屋と、それぞれの分野の方が集まってくれました。
みなさん、すごい人達なのです!
全体としてはこんな風に壊れたけど、部分部分はどんな風に壊れていくんだろう? といったことを突き詰めていきます。
三角がどんな風に壊れていくかや、釘やビスがどこからどうやって抜けたり折れたり曲がったりするのか。
いわば破壊の仕方を隅から隅まで調べ尽くすのです。
地震や台風に強い壊れない家を研究するには、たくさん壊してみてどんな風に壊れていくかを知ることから始める。
おもしろいですよね!
日本の家づくりは、正に地震との戦いでした。
壊れないつもりで作っていたのに壊れてしまった、という事の繰り返しで、そこから学び改善してきました。
何度も何度も地震の被害を受けている我々日本の木造建築は、それ故に世界一の技術を誇るまでになったのです。
私たちのドームハウスも、そんな世界一の木造ドームハウスを目指したいですねっ!
今年もみなさんのご協力の下、新たな課題に挑む研究が始まりました!!!
(^^)/