家づくりに於いて、造り手の仕事は、大きく分けて二種類に分けられます。
設計を行う建築士の仕事と、工事を行う職人の仕事です。
何もかもブラックボックスとなっており、営業さんとしか話をしたことがなく、施工現場も見ることが無く、依頼すればいつの間にか出来上がって引き渡される家づくりは、商品建築に特化したハウスメーカーさんに限った家づくりです。
通常は、設計をまず建築士が行い、現地調査から基本設計、詳細を詰める実施設計、構造計算、見積もり調整、各種行政申請、、、と手順に沿って、実際に作り始める前に、ひとつずつ積み上げて行きます。
例えば、強さ。
構造強度は、ほぼここの机上での作業で決まってきます。
ここで決められた強さを出せる構造を現場で作るということになりますので、設計以上の強度の家が出来ることはありません。
特に家の強さのことを「設計強度」と呼ぶことがあります。
どれくらい強くするかを設計者が決めて、その強さになるように設計し、計算し、図面を描きます。
設計者がいない建物はありません。 必ず誰かが設計をしています。 法的には、設計者がいないと、行政への申請すらも出すことができません。
しかしながら、その建物がきちんと設計されているかどうかは、また別の話。
建築士の仕事は経験が人を育てる仕事ですので、資格を持っている人が皆同様に高度な設計が出来るかというと、そうとは限りません。
そのため、誰がどのように設計を行っているのかも、大切な判断材料となるのではないかと思います。
設計事務所に依頼しなくても、工務店だけに家づくりを頼んだとしても、住宅展示場でこれと同じものをくださいと言って買うとしても、必ず設計者が関わっているものです。
家づくりを共にする 設計者 を選ぶ、という目も必要ですね。