先日、研究室の先生方と研究生たちが
私たちのドームに集まってくれました。
今年も新たな実験をします。
不透明な部分がまた1つクリアーになります。
楽しみです!
それほど昔ではありませんが、
ほんの数年前までは、
本当に困っていました。
何人もの構造の専門家に
尋ね、依頼し、解析してもらっても
上手くいかなかったドームハウスの構造設計でしたが、
今思えば当たり前のことで、
ドーム構造がどのように壊れていくのかが
分からなかったからなんですね。
そこまでの実験を伴う研究を
誰も行ったことがなかった。
建築の構造技術の進歩は、
破壊を繰り返し
そのメカニズムを解明するしか方法はありません。
それ故、大きな震災が起こる度に、
建築基準法絡みの構造基準が書き換えられてきました。
大学との共同研究を初めてもう5年。
様々な実験を行い、
研究を重ねています。
この破壊実験、
構造体のあちこちに
センサーが貼り付けてあります。
木材内部に掛かる力や歪みを、
破壊とともに収集していきます。
壊れ方のデータを集め、
どのように壊れていくかを解析するわけです。
「こういった実験によって集めてきたデータがあるから、
正確な構造設計が出来るようになるんです。
逆に言えば、
このデータを持っていなければ、
どれだけ高価なすごい構造計算ソフトがあったところで、
正しい構造設計は出来ません。」
例えば、ここに一本の棒があります。
その棒の両端を持って曲げていくと、
だんだんとしなりながら、
ミシミシと音が鳴り始め、
そのうちバキッと折れてしまいます。
どこまで曲げると折れるのかを数式にするには、
実験によってデータを集め、求めるしかありません。
その棒を二本束ねたらどうなるか、
三角に組み立てていたらどうなるか、
釘で端をつなげていたら、
ベニアが張ってあったら、
等々、条件によってどうなるのかを知る必要があります。
この壊れる力加減をコンピュータに入れ込んで
自動計算をさせる仕組みが、
構造計算ソフトです。
壊れる力加減を知らない人には、
答えは導き出せないのです。
だから昔は、
ちゃんとしたドームハウスの構造計算が出来なかったんですね。
今年も新たな実験をします。
不透明な部分がまた1つクリアーになります。
楽しみです!