2020木質構造研究会にて技術発表

毎年この時期、
東京大学弥生講堂にて
木質構造研究会技術発表会が開かれます。この研究会は、
木材やその構造に関する
最先端の研究内容を発表させて頂ける場です。研究者だけでなく、
私達のような一般企業も
産学協同で発表出来る場となっておりまして、
すごいメンバーの方々を前に
おののいてしまうのですが、

ありがたいことに、
お蔭様で今回2回目の発表の機会を頂きました。

通常は東京大学で行われますが、
今年はコロナ禍のため
残念ながらネットによる遠隔発表。初期から共に研究に関わっていただいている
建築構造のソフト開発会社、
ソフトウェアセンターさんの会議室に出向いて
社長と共に参加いたしました。
発表内容は、
昨年実施しました
ドームパネルの破壊実験により得たデータをまとめた論文。研究室でまとめて頂いた論文を中心に、
過去の実験結果も踏まえての成果発表となりました。
この研究の目標は、
よく分かっていない木造フラードームの
構造設計を行うために必要となるデータを収集すること。
通常の建物と同じ振る舞いをするだろう
と仮定して構造計算を行ったとしても、
実際に計算通りの強度が出るかどうかは、
試してみなければ分かりません。
実際の建物に地震の揺れを掛けて壊すには、
大変な施設と費用、知見が必要となるため、
部分的な破壊実験を行ってデータを取り、
コンピュータにその値を入力して、
シミュレーションを行います。
構造計算とは、
どこがどんな風に壊れていくのかを
詳細にシミュレーションすることです。
壊れ方が分かるから、
壊れない建物を作ることができる、
という理屈ですね。
今回の大きなポイントは、
建築構造を学んだことがある方や、
設計に携わっている方は誰もがこう感じるはずです。
骨組みに構造用合板を張ると、極端に強くなる。

構造体力がぐっと何倍も一気に上がる、と。

しかし、
そうではないということが
今回の実験からわかりました。

合板がどれくらい強度を高めているか、
の予測が大幅に異なっていました。

これは、誰も知らない事実です。
フラードームは
高強度の構造体を作り出すことが出来る
トラスから成っています。

トラス+合板 なのだから
相当強いのだろうと思いがちですが、
そういった思い込みは危険です。

破壊実験の結果は、
そういったことを語っているものでした。

 

4年目の木質構造研究会 発表。
そのようなことで
とても有意義な時間を過ごすことができました。教授とご参加のみなさんのやり取りを
同じ画面内で共有させてもらいながら、

なんだか、

「ここまで正確にドーム構造のことを理解しているのは、
 世界広しといえど私たちのチームだけだろ~」と感じてしまいました。

とても嬉しいことです! (^^)

P.S. もし、ドームの構造計算を自分でやろうと考えている方がいらっしゃるのであれば、パソコン上で数字だけをあれこれといぢくり回すだけでなく、実際に計算通りに壊れてくれるかを、実験によって確かめる必要があります。
既存の四角い建物に合板を張って出した強度と、丸いフラードームに合板を張って出した強度では、同じ振る舞いはしないですので。

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。