先週、大型ドームハウスの建て方を行いました。
建て方(たてかた)とは、
出来上がった基礎の上に、
土台を敷き、柱を立て、
梁を組み、屋根の下地までを作ることです。
てっぺんの「棟木:むなぎ」を組み上げることを
「上棟:じょうとう」といいますね。
ドームハウスの建て方は二種類の工程に分けて行います。
一つは内部軸組の組み立て。
2階の床と一部2階の壁までの構造をつくる作業です。
もう一つは、丸い屋根のドームパネルを組み上げる作業。
まずは、内部の軸組構造を組み上げます。
前回、
大工さんが手刻みで加工しているところをお伝え致しましたが、
手刻みと機械加工、どちらにも良い点悪い点があります。
コンピュータ制御による機械加工は、
完璧な図面を仕上げておかなければなりません。
何度もやり取りを行い、訂正に訂正を重ねて、
加工用の図面を仕上げていきます。
加工用のプレカット図面は、
プレカット工場の設計士さんが作ります。
しかし、その元になっている構造図は
我々設計事務所が作った物です。
構造図は3d(立体の三次元)で作図していますが、
受け渡しが出来る図面は2d(平面の二次元)図面です。
立体的に組み上げている物を
どうやって二次元で伝えるかが難しいところです。
対して手刻みの現場は、
加工をする大工さんに直接3d図面を見て貰いながら、
どう作るかを考えて貰うことが出来ます。
パソコンの中でくるくると回しながら、
立体で見て貰うことが出来ます。
それをベテランの大工さんが腕と経験によって、
どうやって組めば良いのかを考え直し、
実際の刻み加工に取り掛かってくれます。
この柱は3cmずらした方が良いとか、
この梁はもっと長く伸ばそうとか、
加工をしやすいよう、また寄り安全な組み方になるよう、
作り手が考えながら進めることが出来ます。
大量生産には向きませんが、
一棟一棟、心を込めた手作りの家になります。
さて、そんな内部構造の準備が整ったところで、
いよいよ「建て方」。
1日~2日でこの通り、内部構造が立ち上がります。
先にドームを組み上げる方法もありますが、
こういった大きなドームの場合は、
内部を先に組み立てる方が作りやすいです。
吹抜にも仮の床を組んでしまえば、
ドームパネルを組み上げる際に、
2階の床レベルに立って作業をすることができます。
ここまでの内部の軸組構造が組み上がると、
次はいよいよドームパネルの組み立て作業。
一大メインイベントが始まります!
(構造設計中のCG画像)