柱と梁、内部軸組構造の組み上げ

先週、大型ドームハウスの建て方を行いました。

建て方(たてかた)とは、
出来上がった基礎の上に、
土台を敷き、柱を立て、
梁を組み、屋根の下地までを作ることです。

てっぺんの「棟木:むなぎ」を組み上げることを
「上棟:じょうとう」といいますね。

ドームハウスの建て方は二種類の工程に分けて行います。

一つは内部軸組の組み立て。
2階の床と一部2階の壁までの構造をつくる作業です。

もう一つは、丸い屋根のドームパネルを組み上げる作業。

まずは、内部の軸組構造を組み上げます。
前回、
大工さんが手刻みで加工しているところをお伝え致しましたが、

柱と梁、内部軸組構造の加工

2019.03.30
今回の現場は、プレカット工場の機械加工により準備した軸組構造材です。

 

手刻みと機械加工、どちらにも良い点悪い点があります。

コンピュータ制御による機械加工は、
完璧な図面を仕上げておかなければなりません。
何度もやり取りを行い、訂正に訂正を重ねて、
加工用の図面を仕上げていきます。

加工用のプレカット図面は、
プレカット工場の設計士さんが作ります。

しかし、その元になっている構造図は
我々設計事務所が作った物です。

構造図は3d(立体の三次元)で作図していますが、
受け渡しが出来る図面は2d(平面の二次元)図面です。

立体的に組み上げている物を
どうやって二次元で伝えるかが難しいところです。

 

対して手刻みの現場は、
加工をする大工さんに直接3d図面を見て貰いながら、
どう作るかを考えて貰うことが出来ます。

パソコンの中でくるくると回しながら、
立体で見て貰うことが出来ます。

それをベテランの大工さんが腕と経験によって、
どうやって組めば良いのかを考え直し、
実際の刻み加工に取り掛かってくれます。

この柱は3cmずらした方が良いとか、
この梁はもっと長く伸ばそうとか、
加工をしやすいよう、また寄り安全な組み方になるよう、
作り手が考えながら進めることが出来ます。

大量生産には向きませんが、
一棟一棟、心を込めた手作りの家になります。

 

さて、そんな内部構造の準備が整ったところで、
いよいよ「建て方」。

1日~2日でこの通り、内部構造が立ち上がります。

先にドームを組み上げる方法もありますが、
こういった大きなドームの場合は、
内部を先に組み立てる方が作りやすいです。

吹抜にも仮の床を組んでしまえば、
ドームパネルを組み上げる際に、
2階の床レベルに立って作業をすることができます。

ここまでの内部の軸組構造が組み上がると、
次はいよいよドームパネルの組み立て作業。

一大メインイベントが始まります!

(構造設計中のCG画像)

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。