学生達の設計発表と共に、ドームハウスの研究発表をさせて頂いた「横浜赤レンガ倉庫」の海を隔てた向かい側に、「横浜港 大さん橋国際客船ターミナル」があります。
海に突きだした埠頭ですが、建物でもなく、港でもなく、これがホントに不思議な建築なのです。
学生達のアイデア設計を見ていると、夢みたいな、、、と感じる方も多くいるのではないかと思いますが、この埠頭、そんなもんじゃないんです。
1995年に設計コンペとして世界中からアイデアを募集し、660もの作品の中から選ばれた設計で、当時、そのあまりにも新しく、斬新なデザインは、世界中に大きな衝撃を与えました。
受賞後、実際に作るための実施設計が行われていくのですが、何年たっても着工の目処が立たず、何度も設計変更を繰り返していたような記事を読んだ記憶があります。
それほど実現するのが難しいデザインだったんですね。
歩いて近づいていくと、まるで巨大なフェリーに乗り込むようなスロープとファサード(建築の正面の顔)が見えて来ます。
人は斜面に包まれた不思議なデッキを上へと導かれ、東京湾が一望できる公園の様な丘にでます。
でもここは公園でも丘でもなく、埠頭の屋上。
横から見ると、下に2層あり、建物の屋上だと言うことが分かります。
床がいつのまにか壁になり、壁が天井に流線的につながり、うねるように空間を構成し、地下になり、屋上になり、海へとつながる。
建物と言えるのかどうかさえ悩んでしまうようなその形態は、未来を思わせるSF的な「場」をつくっています。
建築が作り出す空気感というものがあります。
なんだかわくわくする。
とてもほっとする。
のんびりしてしまう、、、
ドームハウスも、独特の「場」を作り出すことが出来る建築なんじゃないかと思います。
ドームハウスでなければ作れない空気感って、とても強くあると思うんです。
建築の可能性は無限大なんだと、わくわくさせてくれる建築でした。