階段は、空間を美しく引き立ててくれる家具のようなもの。
そんな使い方ができます。
ここでは、後ろの漆喰壁が階段を強調しています。
この壁、天井までは伸ばしませんでした。
2階の手すりとなるよう、2階床から1mくらいのところまでとし、その上はなし。
これが大切なのです。
下から見上げたときに、手すり壁の向こう側へドームの屋根が回り込んでいるのが見えます。
天井は、下に立っている自分の背中、後ろから始まって、頭を通り越し、そして手すり壁の向こうへと続いて行きます。
これが視覚的に重要です。
天井が、立っているあなたを包み込んでくれているような効果を生み出しています。
更にもう一点大切なポイントとして、この2階の手すりは縦や横の格子の手すりではなく、壁であること。
「手すり壁」と表現したのは、2階から見ると背の低い「壁」があるように見える「手すり」のことです。
手すりと聞くと、細かい縦格子の手すりを思い浮かべてしまいがちですが、ここは壁。
もし縦格子がここに入ってしまうと、下から見上げたときに、階段の手すりと重なって見えてしまいます。
折角の美しい階段が、目がちらちらするようなイヤな景色になってしまいます。
真っ白いキャンバスをバックに、美しい階段が上に昇っていけば、いつも上を見てしまう楽しくなる空間ができあがる。
階段はドームハウスを美しくしてくれる、重要なアイテムになるんですね。