ドームハウスのデメリット・欠点

  • ドームハウスは雨漏りする。
  • ドームハウスは結露する。
  • ドームハウスは住みにくい。

とネットのどこかに書いてあったそうです。
しかしそれは違うのです。
なぜか…。?

今日はドームハウスのデメリット・欠点についてお話ししますね。

 

ドームハウスのデメリット・欠点は、
そういった建築として致命的な部分ではありません。
雨が漏っては住めませんし、
結露をする家は、場所によっては木が腐り、
シロアリを呼び込む可能性もあります。
決して健康的な家とは言えません。

そういった家としての致命的な欠陥は、
設計者や施工者の技術不足に起因していることが多いもので、
「ドームハウスだから」ではありません。

では、ドームハウスの本来の欠点はどこにあるのでしょうか。

1.家具を置きづらい
2.ユニットバスが入り難い
3.冷暖房が大変
4.施工上、難しい部分が多い

そんなことが想像できます。

しかしそのほとんどは設計や施工の問題であり、
部分的には住み手である施主の問題でもあります。
ドームハウスだから…ではないのです。

 

丸い天井に包まれた大空間が
ドームハウスの最大の特徴です。

でも中には、
そんなダイナミックなドームハウスよりも、
ちょこちょこと小さな四角い部屋をつなぎ合わせた、
昔ながらの家の方が適している人もいます。

無理にドーム空間の中に、
アパート暮らしマンション暮らしの生活を入れ込もうとすると、
必ず失敗してしまいます。
それは、個室をいくつも入れ込むような間取りが、
ドームハウスに最も適していない設計だからなのです。

 

具体的に説明すると、
まずドームハウスの平面形状は、
丸いわけではありません。

外周壁を見た際、
窓やドアを付けることが出来る「長い面」と、
構造的に重要となる取り去ることが出来ない「短い面」を、
交互に並べた十角形を元にプランニングされています。

こちらに分かり易い絵があります。

ドームハウスのコンクリート構造壁

2023.07.15

大きな掃出窓は、
「長い面」にしか付けることが出来ません。
そしてその、その長い面は5ヶ所のみ。

例えば、
一面は「浴室等の水廻り」に。
もう一面は「キッチン」用に。
「玄関」にも一面必要です。
そうすると残る「長い面」は二箇所のみになります。

「大きな掃出窓」は、個室につけたい。
つまりその位置に個室を配置しなければ、
大きな窓を付けることが出来なくなります。

当然、一つはリビングやダイニングに使いたい。
そうすると残りは一ヶ所だけになってしまいますね。

そういった形状から来るある種の規制によって、
個室を並べることが難しい建物だと言えます。

 

では、二階に個室を並べればどうでしょうか?
二階も同じく、
小さいながら「ドーマー+窓」を設置できる個所は
5ヶ所のみに限られます。(天窓は除く)

そうすると5部屋取ることが出来るのでは
と思いがちですが、
5ヶ所の窓が付けられる場所全てに個室を設けると
ドームらしくない家になってしまうんです。

なぜなら総二階にしてしまうと、
1階も2階も、
どこにいても丸いドーム天井を見渡すことが出来ない
狭苦しいドームハウスになってしまうからです。

ダイナミックなドーム空間を活かすには、
半球を形成している天井の半分前後を、
同時に見渡せるような空間設計とすることをお勧めしています。

ドーム天井を
「一度に見渡すことが出来る」場所
が狭くなればなるほど、
ドームらしさが失われていくと考えて間違いありません。

ドーム天井を見渡すことが出来ない程、
個室を並べてしまいたいのであれば、
四角い家にすれば良い。

ドームにする意味がないのでは、と感じます。

 

つまり、
「ドームハウスらしくつくり、ドームハウスらしく暮らすこと」が、
最も大切だと言うことですね。

 

これらに反して、
小部屋を詰め込むプランにしてしまうと、

  • 折角の丸い天井が見えなくなる。
  • 複雑な形状の仕切り壁が多くなる。
  • そして結果、作り難く、住み難くなる。

と言えるでしょう。

(見渡せるドーム天井が最高に美しい家)

 

さて、そういった「ドームらしさ」が分かった上で、
今回は更に核心的なことに迫ってみようと思います。

 

それは、設計と施工について。
いざ、ドームハウスを建てたいと工務店を探す際、

「 見積りすらできない施工者が多くいる。」

と言う事実にはばまれ頓挫してしまうことが多くあります。

99%以上の施工者は、
ドームハウスを作ったことがないどころか、
見たことすらないと思って良いでしょう。

そのため、図面をどれだけ提出しても、
パソコン内でぐるぐる回して見ることが出来る
3dデータを渡したとしても、
見積りすら作ることが出来ない工務店が多いのが現状です。

もしそのような施工者が、
学ぶことなく見よう見まねで作ったとしても、
まともなドームハウスは作れません。

 

私たちが作っているドームハウスは、
構造計算に基づいて設計を行い、
複雑な形状の基礎や床、壁や屋根の構造体が、
現行の法律に沿った適切な施工が出来るかどうかを、
三次元設計を繰り返し行いながら検証した上で
現場施工に取り組んでいます。

例えば、
ドーム屋根の上に十数ミリの隙間を開けて、
更にドーム屋根を被せることによって
屋根面にも「通気層」を確保する。

構造計算通りの強度が出るように、
部分的に強くしなければならない箇所があれば補強する。

これは、通常の四角い建物であれば
皆が難なく行っている、
設計であり施工内容です。

しかしそれを
立体的な多角形のドームハウスで行おうとすると、
どうして良いのか分からない。

結果、現場での適当な「やっつけ仕事」になってしまい、
雨漏りや結露を発生させてしまう家になる。

 

結果デメリットして、

  • 小部屋がたくさん欲しい人には向いてない
  • 3d設計の技術がなければ設計できない
  • 設計が難しい
  • 初めての施工者にはちょっと難しい
  • 普通の家づくりの感覚では出来ないことが多くある

ということが言えます。

 

結論としてドームハウスは、

「 らしく作り、らしく暮らす、が分かっていない人には作れないし、暮らせないもの。 」

 

「 家具が置けない、ユニットバスが入らない、冷暖房が効かない、は設計の問題であり、 部分的には住み手の問題。 」

 

「 四角い家の方が適している人もいる。 」

そして、

「 雨漏り、結露は、設計や施工の問題。 」

ということが言えます。

 

 

ちなみに、
雨漏りしている古いドームハウスの
修理を依頼されることがあります。
その施工内容をみてみますと、
私たちの現場では必ず採用している
施工方法や材料を採用していない。
または端折ってしまっていることが分かります。

また、普通の四角い家の
緩やかな勾配の屋根にしか
採用しない防水方法を使用している等、
結露して当然、雨漏りしても当然な
施工方法になってしまっています。

在来工法やツーバイの家などの
普通の木造家屋を作っている職人さんに丸投げをし、
現場判断にて作らせたのではないかと感じます。

現場を統括する技術屋である現場監督なり、
監理を行う設計者のしっかりとした指導があれば、
あのようなことにはならないのではないかといつも感じます。

監督や設計者にドームハウスの設計・施工に対する
深い知識や経験がなければならないことが大前提となります。

安く作らせすぎて、
採用しなければならない施工方法や材料を使えなかった…
という施主の問題もあるのかもしれませんが。

有能な施工者や設計者、
そして良い家が増えることを願います。

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。