今回の新年度、研究者初会議。
今年の実験と論文を担当して頂く方々を前に、
今までの研究内容の説明と総括を行いながら、
次に必要となるデータの洗い出しをしました。
まずはプログラム担当のA社長。
現在の解析では、ここに流れた力をこっちにこう、
あっちにこう、ここがこうなって、こうなると、言う具合です。
しかし実際には、こちらはこうすべきだと考えられますが。
みたいな話が続きます。(^^;)
ちょっと内容をバラしますと、
今年は細かく要素に分けて考え、
部分部分での破壊実験を行います。
それによって、今まで大幅に安全側で算出していた数値が、
より実際に近い結果として設計出来るようになります。
また、良く分からなかった部分の解析もきちんと出来るようになる。
例えば、大きな窓を付けたいので、
この柱は抜いて下さい、みたいなときに、
抜いて良いものかどうか良く分からないので、
安全を見て、窓は小さいので我慢して下さい、
みたいな事を回避できるわけです。
さて、会議の後、先生が施設の見学に連れ出して下さいました。
会議内容もさることながら、
こちらの方が驚きの連続でした。
まずは研究室を出て実験棟に向かいます。
道中は、大学の敷地内とは思えない程建ち並ぶ倉庫と広い道路。
どこかの港を思い起こすような風景です。
その中の一棟。
大型の破壊実験用の器具が建ち並んでいます。
半世紀も前から活躍している器具もあり、
メンテナンスが大変なのだそうですが、
この大きさの実験器具は、どこにもないのだそうです。
はぁ~、とにかくでかい!
次の棟は木工の加工所。
椅子やテーブル、小屋、実物大の大きな集成材梁に至るまで、
実験に使用する物を何でも施設内で作れます。
隣に移ると、今度は鉄工所。
端っこの方で作業をしている研究生たちは、
木造金物のJIS規格を作るための実験を行っているとのこと。
そうやってコツコツと作り出された規格が、
安全な家づくりの一端を担っていくんですね。
実験棟区画の端には、
「工業技術博物館」の表示。
館主さんに鍵を開けて頂き、
入った中は驚きの光景でした。
これが、大学の施設とは、、、
一番の驚きがこちらです。
ここには日本の近代工業を支えてきた産業機械が集められているそうです。
日本中から集められたすごい技術たちを一度に見ることができます。
様々な旋盤機から、超大型の発電タービン。
車、蒸気機関、飛行機のジェットエンジン、
と目まぐるしい数の機械たち。
世界中から専門家の先生までもが見学に訪れるのだそうです。
今回は大変貴重なものを見せて頂くことが出来ました。
最後に、
「2019号蒸気機関車」
明治24年に製造され、昭和30年代まで活躍していたもので、
きちんとメンテナンスが成されており、
動かすことが出来る貴重な車体。
石炭を投入する前の加熱時には、
建築の破壊実験で出て来る木材を燃やしたりもするそうで、
毎月動かしているとのこと。
数十メートルの線路が、機関庫の前に延びていました。
すごい先生方、
みなさんのご協力のもと、
今年も私たちのドームハウス研究が、動き出しました!