丸い屋根が特徴的なドームハウスの外壁は、
三角形の壁をつなげることによって丸くしてあります。
この三角形の壁、プランニングをする際には、
上の方でどうなっているのか想像しながら設計をするしかありません。
しかし、、、
平面図を見ても、その空間を頭の中で思い描くことがなかなか出来ないのです。
例えば、この図面。
外壁から離れたところにサッシの絵があります。
平面図だけを見ると、まるで空中に窓が浮いているようですよね。
え、間違ってるんじゃないの!?
と思うかもしれませんが、合ってるんです。
この窓が、三角形の壁とどのように絡んでいるのかを、
立体的に見ると、、、
赤く縁取った窓が、それに当たります。
平面図は、カウンターや手洗いを表現するため、
床から1mくらい上がった辺りを描きます。
便器やキッチンカウンターの上を表したいですので。
しかし、床面の形は、
床面積を計算するための根拠となる絵にしなければならないですので、
床フローリングの面で、すぱっと真横に、
地面と平行に建物をカットしたラインで絵を描きます。
そうすると、赤丸の建具がある部分は、
平面図の床面カット位置では、コーナーに当たります。
しかし、このコーナーは逆三角壁の頂点(一番下)ですので、
天井に近くなるに従い、広がって行きます。
床面では点ですが、上の方では広い壁になっています。
また、この逆三角形の壁は、室内側に倒れ込んでいます。
その為、サッシが取り付く高さである、
床から1m~2mの場所は、
室内側に寄っていることになります。
その位置が、上の平面図。
そんな理由で、空中にサッシが浮いている様な絵になってしまう訳です。
この立体造形の複雑さは、ドームハウスのデメリットと言えます。
空間を立体的に頭の中で想像することが、とても難しいのです。
でも、これが面白いところでもあるんですけど。。。
そこで、分かり易くするために、
設計打ち合わせの際には、
こんな感じの簡単なリング状の立体図面をお渡ししています。
輪っかになるように折り曲げて、平面図の上に載せると、
三角の外壁と、造り付け家具やサッシとの関係がよく分かります。
こんなに広い壁があるのに、どうして窓が付かないの?
この建具、もっと横にずらしたいんだけど?
ドームハウスのリング模型は、
平面の理解を深める為にとっても役立つ設計アイテムです。
分かりづらいドームハウスのデメリットも、
これがあれば簡単に克服できそうだと思いませんか?