二叉の大黒柱は、買ってきたんじゃないんです。
山で見つけてくる、、、
というのもまた難しいですので、
ある意味、出会いみたいなものです。
![sdaikoku_cut_0](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2016/11/sdaikoku_cut_0.jpg)
この赤松は、敷地内に自生していました。
周囲の松は、3割くらいの松が松食い虫にやられてしまい、
立ち枯れていました。
立ったまま枯れてしまうことを、立ち枯れと言います。
立ち枯れた木に雪が載ると、重さに耐えられず、
途中から折れて落ちてきます。
根元が腐ってしまった木は、地面の中で根っこが切れてしまい、
土と共にえぐり取られるように、根と共にひっくり返ることもあります。
その木が元気かどうかだけではなく、
10年後どれくらいの大きさになり、
どこまで枝が伸びてきているだろうか、
と将来の景色を想像しながら、庭をつくる必要があります。
二叉の大木は、建物が建ってしまうと大型の重機が入らず、
伐採することが出来なさそうでした。
またそれ以上に、通常よりも弱い二叉の部分が折れてしまうと、
お隣に倒れてしまう可能性も。
冬場の強風、八ヶ岳颪(おろし)や甲斐駒颪が強いこの地域では、
高いところに雪が載り、そのまま凍ってしまい重くなり、
その後の強風で、折れたり倒れたりということが頻繁に起こります。
屋根を潰してしまった、車を壊してしまった、
ということが頻繁に起こっています。
ということで、建設前に伐採する方が賢明と判断しました。
![daikoku_cut_1](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2016/11/daikoku_cut_1.jpg)
この大きなクレーンをラフターといいます。
今、吊っている物が何トンあり、
現在の作業が危険かどうかを
重さにより判断しながら吊り下げられる優れものです。
巨大な赤松は、重たすぎてそのまま吊り上げることが出来ません。
安全を確保した上で、途中から切り離します。
ラフターには一本のクレーン支柱に大小2種類のクレーンワイヤーが付いています。
大きい方で松を吊るし、
小さい方で高所作業用のゴンドラを吊します。
揺れるゴンドラに載った作業員に、
上の方で大木を切り離してもらいます。
一台のラフターでいっぺんに2つの作業を行う訳です。
吊しながら切らないと、切った大木が落ちてきますので。
(中間部分を伐採中)
(二本目の上半分を伐採完了)
![sdaikoku_cut_4](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2016/11/sdaikoku_cut_4.jpg)
無事、赤松の大木の、
重たい上半分を切り離すことが出来ました。
低くなっても、それぞれの丸太には相当の重さがあります。
柱にするため、途中で折れてしまわないように
慎重に伐採しなければなりません。
二叉の根元は、上から落ち葉が降りかかり、
雨水が溜まり、
中が浸食されて空洞になってしまったものが多くあります。
外から見ると太い根元も、
実は中が空洞で空っぽだったということも多いです。
大木の中の空洞を、ウロといいますよね。
トトロの住み家はウロの中でした。
木はどんなに太くなっても、
水や養分を吸い上げる導管はその表面だけなのです。
木は、中が空洞になっても、
折れなければ問題なく生きていけるのです。
![sdaikoku_cut_5](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2016/11/sdaikoku_cut_5.jpg)
外から、どこまでウロが広がっているかを確認することはできません。
切ってみないと分かりません。
途中で折れてしまわないように、
なるべく二叉から離れた下の方を、
特別に長いチェーンソーを使って切っていきます。
切り進める内にチェーンソーの歯が挟まってしまい、
動かなくなってしまいますので、
斜めに三角に、切り落としながら伐採をするのが通常の伐採方法。
しかしここでは、後で柱に加工しなければなりません。
なるべく下の方を残したいですので、
クレーンの先端をちょっとずつ動かしてもらい、
吊り下げた大木の重心を微妙に移動しながら、
まっすぐいっぺんに伐採しました。
職人技の連携プレー、すごいです!
(やっと切り離すことが出来た大木)
![daikoku_cut_7](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2016/11/daikoku_cut_7.jpg)
二本の幹を折ることがないよう、慎重に寝かせます。
![sdaikoku_cut_8](https://domehouse.info/wp-content/uploads/2016/11/sdaikoku_cut_8.jpg)
直径1m弱の根元には、
御神酒をあげて感謝です!