住宅の施工技術の進歩は、
ここ20年程の間に大きく進みました。
一昔前の家づくりは、暖かいところでは開放的に、
寒いところでは閉鎖的な建物の造りをしていました。
しかし、現代の建築のつくり方は、
暖かいところでも寒いところでも、
共に閉鎖をするつくり方になっています。
それは、窓の気密性能を上げるだけではなく、
壁の構造までも、高気密となるようにつくる方法を採ります。
壁の室内側に、気密シートを張る工法があります。
ビニールでラップをし、壁の中に室内で発生する湿気が入らない様にする事がその目的です。
壁の中に湿気が入ってしまうと、結露の原因になります。
壁の中で結露が発生すると、構造材や断熱材が濡れ、
濡れた木に腐敗菌が発生し、木を腐らせていきます。
家の寿命は、壁の中が湿気てしまうことにより、
大幅に短くなってしまうのです。
外側はというと、通気層を設けるのが最善です。
室内側にビニールが貼ってあったとしても、
コンセントの穴や、釘の穴から、徐々に湿気が入る可能性があります。
また工事の際に、断熱材が湿気ていることもあります。
その湿気を、外側の通気層内を空気が流れることにより、
排出してくれます。
併せて通気層は、夏の熱射や冬の冷気を、和らげる効果もあります。
雨音も、通気層があることにより、小さくなります。
屋根面の通気層は、室内の住環境を高めるのに役立つ、
大切な機能です。
ドームハウスの場合、その屋根は三角が集まって出来ています。
角が多いドーム構造を二重にすることはとても難しい工事となります。
フラー型ドームの場合、60枚の三角パネルが集まり、屋根を構成しています。
その屋根を、通気層分18mm前後の厚みを確保し、
一回り大きな屋根を上にかぶせます。
60枚の屋根パネルを二重にする為、三角は120枚ということになります。
その分手間は掛かりますが、
なるべくこの屋根通気付きのドームを標準モデルとしたいと思っています。
折角の大空間、てっぺんまで良い環境をつくりたいですので。