壊れたチェーンソーともったいない文化でお話ししたハスクバーナーのチェーンソー。
ネットで買ったちょっとだけ値段の安いチェーンソーだったため、
ホームセンター向け商品とのことで、
日本国内では専門業者さんからも修理を断られてしまったチェーンソーです。
その後、アメリカからほんの数日でパーツが届きました。
安っすい30ドル(30ドルx110円=3300円)のエンジンパーツ、
粗悪品が来たらどうしよう、
ねじの穴が1mmでもずれていたら組めないなぁ等々、
心配していましたが、
梱包はもちろん、エンジンパーツ一つ一つがラップしてあったり、
袋に入っていたりで、丁寧な包みでやってきました。
きれいに梱包してあると、高そうに見えますね。
必要パーツが間違いなく届いているかをまず確認しました。
エンジン本体のボディー、シリンダーヘッド、シリンダー上のリング、
シリンダーが付く軸がくるくる回るところのベアリング。
たったの4つだけのパーツですが、
これが問題で動かなくなってしまっているはずです。
さて、折角バラすのですから、
中を掃除して、きれいにしたいです。
コンプレッサーの圧縮空気で、
「プシュッー、パシュッー」っと古いチェーンソーオイルで固まったおがくずを、
吹き飛ばしながら外していきます。
きれいに取れない部分は、
ホワイトガソリンでふき取れば、きれいになります。
随分奥の方までおがくずだらけ。
重量が軽くなったんじゃない?っていうくらい、
べとべとのおがくずが出てきました。
のこ部分のチェーンと、
そのブレード、
樹脂製のボディーを外すと一体型に整形された本体が出てきます。
オイルタンクやガソリンタンクは、
本体を包むこのボディーと一体になっているんですね。
小さな体にいろいろと詰め込まれている本体の設計は、
なかなか歴史を感じるすごい出来。
より少ないパーツで組み上がるように、
良く考えられているんですね。
アクセルの機構なんて、
ガソリンを噴出させるパーツのキャブレターとつながってもいないのが、
ここまで省力化してもちゃんと動くのか、
とちょっとびっくりです。
車やバイクの様に、
アクセルとキャブを
ワイヤーでつなげてあるのかと思いきや、
切り離されている棒を、後ろから押すだけ。
離れている所にあるアクセルペダルを、
長い棒でつっついてエンジンを吹かしている様なものです。
ワイヤーがないから延びるところが無く、
振動で細かくずれてくる心配もない、
ということなんでしょう、きっと。
さて、結構ばらばらになってきましたが、
エンジンの回転をチェーンに伝えるリングが外れません。
OFFって書いてあると言うことは、
この丸い鉄を
こっちに回せば外れるぞ、
ということなんだろうなあ。
こいつを回すのか、、、
しかし、ボルトやナットが付いてないのです。
回すにも持つところがありません。
真ん中の穴はただの空洞だし、
2つの穴が回転する中心から1cmくらい外側にあいているだけ。
この2つの穴に何らかの専用工具を差し込んで、
ぐぐっと回せば取れるんだろうなぁ、
と予想するのですが、、、
エンジンの底面が外れれば、
こいつを外さなくてもシリンダー部分は出てきそうではあるのですが、
一体整形の樹脂の為、
はずせる場所がありません。
仕方ないので、専用工具を作ることにしました。
アルミの棒に、
2つのボルトをくっつけて、
この間隔の突起をつけた物があれば回りそうです。
古いボルトやナットをかき集めた缶から、
適当なものを2つ。
あとは3mm厚のアルミバーに、旋盤で2つ穴を開けて、、、
ボルトを2つ止めて、
その突起を回転円盤の穴に、
ぐぐっと、、、 入りました。
ぴったし。
あとは力任せに回すのです。
まっ、まわすっ、、、
ぐぐぐぐぐぅ~~っと。
おぉー、回った。
取れた取れた、 外れました。
すると中から問題の本体、
エンジン部分が出てきました。
シリンダーヘッドはこの中にあります。
箱の中の、箱の中の、箱の中、、、 って感じですね。
底を外すと、やっとシリンダーヘッドが姿を現しました。
あー、まっくろ。
おまけに、がりがりじゃぁないですか!
そういうことだったんですね。
びったりくっついていないといけないシリンダー周囲と、
それが上下する筒のこすれる壁面ががりがり。
ということは、
ガソリンを含んだ空気を圧縮することができません。
エンジンは、吸気 > 圧縮 > 爆発 > 排気 のルーチンで動いてるんでしたよね。
傷から圧縮燃料が洩れて圧縮出来ないから爆発できない。
これが原因ですね。
焼き付くって、こういうことか。
これなら交換すれば直りそう、という光が見えてきました。
遠く海の向こうからやって来た新品のエンジンケース、
ぴったり同じサイズです!
鉄の色や質がちょっと違いますが、
ん~、それは良い事にしましょう。
シリンダーを外して、新しいものと交換。
シリンダーヘッドの上のリングが固くてなかなか上手く入らない。
エンジンオイルをぬってぬるぬるにしてスポッと入れようとしますが、
手までぬるぬるで、
ちょっと苦労しましたが、
無事、 交換完了!
さあ、あとは
バラしたのと逆の手順で戻していけば良いだけですね。
しかし、えらいパーツ数。
こんなにあったっけ、、、
案の定、なんだか上手く入ってくれない箇所がでてきました。
キャブレターが良い位置に入りません。
先に長いボルトか?
樹脂のパッキンが先か?
バラす時に、動画でも撮りながらバラすべきだったかも。。。
取ったり付けたりしながら、何とか組み直しも完成しました。
さて、エンジン。
掛かるんでしょうか!?
ガソリンを入れて、
チョークを開いて、
エンジン始動のハンドルを勢いよく引っ張ります。
ひ、ひっぱり、ます、、、
が、かかりません。
ガソリンは行っているし、排気もつまってないし。
じゃあ、吸気かなぁ。。。???
フィルター、ちょっと汚れていますし、、、
ホワイトガソリンにつけてぼちゃぼちゃして、
詰まった目をきれいに洗い落として、
絞って、
ぞーきんで叩き潰すようにきれいにして、
また設置。
チョークを引いて、
再度、挑戦!
始動ハンドルをぐぐぐっっと、引くっ!
おー、掛かりました。
なんと一発始動。
少し回してエンジン本体を温めると、
次からは軽く引くだけで掛かります!
今までは、一度エンジンが止まると、
次がなかなか掛からなかったのですが、
止めても、止めても、
すぐに掛かる。
エンジンのパワーも、
なんだか大きくなったように感じます。
エンジン容積はそのままなので、
そんな事はないんですけど、
良く切れる感じがするほど快適です。
するすると抵抗無く、
エンジンが回り始めたというのが、
手に伝わる振動が異なるため、
良く切れる感じがすることにはつなっがっているんでしょうね。
ハスク、復活!(^^)
知れば知るほど、楽しくなりますね!