家を建てられない土地?(その2)

家を建てられない土地を買ってしまった、ということがあるの?
という話の続きです。

今回は4、5について。

4.公共水道がなく、また井戸も掘れず、建てても水道の供給が出来ない土地。
5.地盤調査をしたところ、地盤が緩く、地盤補強工事に費用がかかりすぎる土地。

4の水について。 敷地の目の前の道路に公共水道が通っている場合は問題ありませんが、少しだけ離れた、もう一本向こう側の道路までは来ているということがあります。 すぐそこなのに、その道路の種別のせいだったり、隣の県市町村だったり、という何らかの理由により、道路を掘削して水道管を伸ばしてもらうことが出来ないことがあります。 市町村合併により同じ市になっていたとしても、上下水道の扱いは、昔の町や村の時代のまま、ということが引けない原因の事も。 また、自費負担であればつないでもらえるとしても、一度アスファルトをはがして、水道配管を延長し、また元の舗装道路の状態に戻す工事まで行わなければならない等の決まりがあり、思いも寄らない費用、個人では不可能な額になる事もあります。 結果、すぐそこまで水道が来ているのに、残念ながらつなげることが出来ない、ということになります。

井戸の場合は、地域での何らかの規制があることがあります。 井戸掘削の申請を行わなければならない事が多いですが、掘ること自体を規制している地域もあります。 地下水利用の法律が設けられている場合は、許可が下りないと自分の土地であっても井戸を掘ることはできません。 近くに湧水地や名所があることにより、個人であっても井戸掘削を禁止していたり、元々、地下水量が少ない地域の為、農業利用を優先して、個人は禁止という場所もあります。 自分の土地であっても、掘削の権利や、くみ上げた水に対しての権利がない地域もあるようです。 水路を流れている表流水や沢であっても、地域にて水利権という権利があり、水を利用することが出来ないことも多くあります。 水に関しては、昔からの地域の慣例、決まりが優先される事が多く、それに基づいて地域での法律が後から作られている事もありますので、市町村役場に問い合わせを行う必要があります。
掘り出し物を見つけて、急いで買ったは良いものの、というご相談、実際にあるんです。

5の地盤の問題はとても大切です。 なぜなら、これにより希望の建物を建てられなくなることが一番多いからです。 不動産取引に於いて、その土地の状態や地面の中がどのようになっているかに対しての責任は、不動産屋さんは負ってくれません。 昔から代々その土地に住んでいる人は、
あぁ、あそこは昔、沼だった。 とか、
数年前までは谷だったのに、上の方に道路が出来て沢がなくなって、あっという間に平らに埋め立てられたなぁ。 とか、
時と共に人の手が加えられ、土地が変化していることを知っています。 しかし、その土地の元々の状態を知らない場合、平らに整地してあると、きれいな宅地の様に見えてしまいます。 大量の土砂を入れて平らにし、数年経てば草木も生えてきます。 元の状態はプロでも分からないことが多くあります。

土を入れて盛り上げた土地を「盛り土」といいます。 斜面に盛り土をした場合は、後から盛られた土は、必ず崩れようとします。 大地は元の状態に戻ろう戻ろうとするため、大雨や地震により、盛り土は崩れてしまうことがあり、もし上に家があると、一緒に崩れていってしまいます。 そのような状態を、「地盤が緩い」と言うのですが、買った土地が緩い地盤だったとしても、不動産屋さんは何の責任も取ってくれません。 買い主の責任で買ったことになり、地盤を固くする工事を自らしなければならないのです。

緩い土地に家を建てる場合は、杭を打ったり、土を固めて強くしたり、コンクリートで壁を作って斜面が崩れないようにしなければなりません。 これを「地盤改良」といいますが、表面だけの簡易な改良工事でも百万以上も掛かってしまうことがあります。 杭工事も基礎の下に鉄管を打ち込んだり、コンクリートの電柱の様なものを地面の中に何十本と入れる工事をしますので、通常は必要のない工事です。

土地を購入する際には、建物の費用を大体これ位で考えて、何坪くらいの建物を建てられるから、この土地を買おう、と言う具合に購入されると思うのですが、その中に地盤改良やよう壁工事、杭工事の事を含めて考えることは少ないです。 土地のみの商売をしている不動産屋さんには、そういった知識は余りありませんし、そもそも建築に関する責任がないですので、それほど気にしてくれないものです。 後から、それも設計が終わって工事見積もりが出てきて、これならギリギリ、理想の家が建てられるね、と話していた矢先、工事を開始するに当たって地盤調査をしてみたら緩かった、、、という事が多くあるのです。

工務店さんは見積もりを作るのに地盤調査をしてくれないの? と思うかもしれないのですが、合い見積もりで5社に見積もりをお願いしている、という事が多くある業界ですので、取れるか取れないか分からないお客さんの地盤調査を、どの工務店さんも身銭を切って行うかというと、なかなか難しいのが現状なのではないかと思います。 不動産屋さんや工務店さん、地域の市町村役場が、その土地もしくは近所の地盤データーを持っていることもあるかもしれませんので、尋ねてみるのも良いかもしれません。 しかし一番安心なのは、地盤調査を自分で行うことでしょう。 ただし、土地の取引を行う前に調査をするということは、人の土地の調査をすることになりますので、不動産屋さんに良く相談をしてからにしてください。 手付けを払ってからとか、別途何らかの約束を、とか、不動産屋さんの判断によって出来るかどうかは分かれると思います。

地盤については、建物を建てる上で重要な事が多くあります。 また改めて、お伝えしたいと思います。

続きはまた次回。

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

catalog

ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。
山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。