標高750mの我が家では、
毎年10月頃になると冬を迎える心配が出てきます。
それは、薪ストーブの燃料である、「薪」。
「自然の中で自然と共に」、を目指して森に移り住みましたので、
冬の暖房は、石油や電気エネルギーを使わず、
極力薪のみで過ごしたいと思っています。
地域柄、別荘を設計する機会が多くあるのですが、
多くの方が薪ストーブを入れたい、 と言う話になります。
青空の下、森の木立の向こうに見える我が家の煙突から、
うっすら煙が上がっている景色。
薪ストーブの扉のガラスの中で、
メラメラと青い炎が揺れている姿、良いですよね。
薪ストーブはとっても奥が深いのです。
車を買うような感じでしょうか。
車もこだわり始めると、デザインだけでなく、
エンジンの仕組みや燃費といろいろと興味が出てきてしまいますよね。
薪ストーブは、その燃焼方法によって、
大きく3つのタイプに分けることができます。
1.空気を吹付け、単純に燃やすだけのタイプ。
2.燃やして出てくる煙を高温にして、出来る限り燃やすタイプ。
3.更に、特殊なパーツ(触媒)の中に煙を通し、もう一度完全に煙を燃やし切るタイプ。
1のタイプは、空気の取り入れ口から入れる風を、
薪に当て続けておかなければ上手く燃えてくれません。
上手く燃えないと、煙とススがたくさん出てしまい、
すぐに煙突がススやタールで詰まってしまいます。
風を当て続けるため、薪の燃えも早いです。
対して、煙をもう一度燃やす2や3のタイプのストーブは、
煙まで燃やすため熱効率がとても良いです。
より少ない薪で、より温かくなるということです。
また、高温になってくれるだけではなく、薪の保ちも良くなります。
1時間で燃え尽きる太さの薪が、1時間半、2時間、と保ってくれます。
2番のタイプは、高温にした空気を煙の出ている辺りめがけて噴出させます。
すると、ガスコンロの口のように、噴出空気が青い炎となり、
煙が燃えてくれます。
3番のタイプは、蜂の巣のような構造の触媒を搭載しているタイプ。
高温になった触媒の中に煙を通すことによって、
煙を完全に燃やしてしまう事ができます。
これを2次燃焼と言います。
2次燃焼運転に入ると、煙突からは全く煙が出なくなります。
煙は完全に燃えてしまっていますので、煙突から出るのは水蒸気だけ。
カゲロウのようにゆらゆら空気が揺れ出ているだけになります。
この状態が、最高の運転状態。
完全に燃えている為、タールやススが出てこないことにより、
2次燃焼運転をいつもしている薪ストーブの煙突には、ほとんどススがたまりません。
煙突掃除の頻度も極端に少なくなります。
良いことずくめなんですね。
その代わり、値段がちょっと張るのです。
軽自動車くらいになってしまいます。
もう一つ重要なことは、煙突。
煙突にも性能がいろいろあんるんですね。
良い煙突は二重構造になっています。
良い煙突を吹き抜けの中、たかーく設置すると、
薪ストーブ本体よりも、煙突工事の方が高くなってしまう事もあります。
良いストーブは、一生使うことが出来ますので、
よーく研究をして、じっくり選びたいものですね。