構造設計遍歴と実験の意味

この夏のドーム研究課題である、三角パーツの強度実験のための事前打ち合わせに行ってきました。

 

近年の建築の世界は、どんな形状をした構造でもコンピュータによる計算によって、その強さを事前に調べることが出来るようになりました。
しかし、計算によるシミュレーションはあくまでも仮想であって、実際に計算通りになるかどうかの保証はありません。

また、四角い家や四角い構造であれば、多くの実状データが存在していますが、木造での三角の構造体・多角形の屋根・丸い家となると話が違います。
世界中どこを探しても、設計に使えるようなデータは存在しません。

私たち自身、これまで何人もの構造家、構造設計事務所に、ドームハウスの構造設計を依頼してきました。 しかし、誰一人として私たちの求めている形状の木造フラードームの構造計算が出来る人はいませんでした。
本当に不思議なくらい。。。

その誰もが、彼らの頭の中にある既存の構造モデルの中に、無理矢理ドームハウスの造形を入れ込むように計算を行ってしまうことにより、全く異なる、もしくは私たちがデザインするドームハウスとは異なる物に歪められてしまうという結果しか得ることが出来ませんでした。

現在、私たちは完全な自由設計のドームハウスを実現するため、構造計算ソフトを開発しています。 そこに入れ込む数値は、こうして毎年続けている実験により求め、正しい構造検討が出来るよう構造設計方法の開発も行っています。

既存の数値はどこまでをドームハウスに応用しても良いのか、どのように構造計算に取り入れるべきか、研究者レベルの判断を必要とします。
そのため数年前より木造建築の構造研究者、大学の研究機関の協力の下で開発を行っています。

ドームハウスのための、ドームハウス専用の構造設計方法を生み出す必要があったといっても良いでしょう。

 

例えばこれ。
こちらの写真、四角い家の壁、筋交い壁の破壊実験です。
こうして実験器具に取り付け、横から力を徐々に掛けていきます。
ある程度を越えると、「バチッ!」と筋交いが破断します。
どのように力が流れて、どのように木が耐え、破壊していくか。
そんなデータを集めるのがこの実験の目的です。

在来の木造建築は、このような実験や実際の地震により破壊された建物データの蓄積があります。
同様の実験やデータがあれば、ドームハウスもより安全に設計を行うことが出来ます。

実験では、このような装置に三角パネルを組み入れて破壊し、データを収集します。
しかし三角パネルのドームハウスは、三角形状のため実験装置に設置することが出来ません。
今回の打合せは、実験装置にドームのパーツを組み込むための装置の製作、そんなお話なのでした。。。

 

ここにどうやって三角を載せよう、、、(>_<)

ドームハウスは、いろいろと普通じゃないからこそ、普通じゃない素晴らしい空間をつくり出すことができるんです!

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。