この夏のメインイベント、ドームハウスの構造実験を再開しました。
前回は、実験2日目に台風が接近したため、雨になる前に急遽中止となってしまいました。
今回、晴れ間を狙って実験の再開です。
実験内容はというと、ドーム内部に吊り下げた水タンクに、ホースで注水。
徐々にドーム本体に荷重が掛かっていき、各パーツがどのようにその荷重を受け止め、耐えているのかを、センサーを使って測ります。
リアルタイムに計測をしながら、破壊寸前まで注水を続け、ドームのパーツの強度や、力の流れ方を測定します。
前回の実験では、500kgの水タンクを使用しました。
中心に吊り下げてあったオレンジのタンクが500リットルのタンクです。
しかし、500キロの荷重では、ドームが強すぎ、ほとんど変化が見られませんでした。
変化量は1mm以下。
壊れるまでの変形は起こりませんでした。
そこで今回は、1トンに荷重を変更。
大型のタンクに入れ替えて、再実験を行うことにしました。
更に今回は、ドームのパネルを15枚取り外して実験を行います。
前回よりもずっと弱い構造体に組み替え、荷重を掛けていきます。
15枚もパネルを外した上に、タンクを大きな物に変更。
さて、どうなるでしょうね?
実験一日目、大型タンクに注水を始めます。
前回同様、ドーム本体にはまったく変化は見られません。
唯一、センサーから送られてくる電気信号により、各パーツが力を受け止めて耐えている様子が、コンピュータ画面の中でのみ、確認することができます。
注水を続け、1時間くらい経った頃でしょうか。
実験体に異常が。
クレーン作業様の帯が、水の重みで伸び、タンクが床に接触してしまいました。急遽、実験を中断し、帯をワイヤーに変更する事に。
水を抜き、空にした後、帯をワイヤーに変更し、再度実験開始。しかし、吊すワイヤーを強くしたため、今度はタンク自体が自重に耐えられなくなり、歪んできてしまいました。
このまま続けても、タンクを壊す事になりそうです。
タンクを吊す装置を丈夫な構造に変更する必要があると判断。
ドーム自体の大きな変形にはまだまだ至っていません。
ドームより前に、タンクが壊れてしまうとは、、、
さて、二日目、
棟梁が急遽山梨の本拠地へ帰り、おみこし型の枠を製作して来てくれました。
今度はかなり頑丈です。
タンクを台座に乗せ、注水、排水のテストも問題無いことを確認。
実験二日目が始まります。
センサー、コンピューターのチェックも終わり、いよいよ1トンに向けて注水開始です。
昨日の500キロ辺り、半分くらいの注水レベルは軽く超しました。
ここからが未知の領域に入ります。
どんどん注水。
ドーム本体には全く損傷は見られません。
途中、タンクのバランスが崩れてきましたが、棟梁が吊り下げ器具を調整し、真っ直ぐ一点に荷重を掛ける事が出来ています。
500キロ、
600キロ、
700キロ。
コンピュータのモニターの中で、ドーム枠の木材に掛かっている力がだんだんと増していくのが見て取れます。
そして、、、
ある一点を超えたとき、「バキッ!」と音が。
とうとう破壊ポイントに到達したのか!
っと、皆が一瞬身を固くしました。
一点に掛かっている荷重は750キロ。
ドームを構成している材料は、実験用に細い物を使用しています。
どこかが折れたのかと破損箇所を探しましたがどこも折れていません。
ドームの軸が折れるという形での破壊には至らなかったのです。
では、どこから音がしたのか。
どこが壊れてしまったのか、、、
安全を考慮し、今回の載荷実験はここで終了となりました。
どれほど、ドームハウスが強いのかを知るために行った実験は、
ここで次の段階へと入ります。
今後、コンピュータに蓄積した計測データを解析し、
12月の構造学会に向けて、論文にまとめていくことになります。
次回の実験はこの冬。
次は、三角パネルに合板を張り、
更に強くした状態での実験を行う予定です。
楽しみですね!!!
To Be Continued !
Back to the Fuller !!