基礎工事

ここでは、基礎工事を基礎屋さんにお願いした場合の、現場監理内容について説明いたします。

1.地盤調査

建物を建てる真下の地盤の状態を調べます。  土には様々な種類と性質があり、家を建てるのに適さないものも多くあります。 音波や振動による方法、実際に荷重を与える方法、直接測定装置を挿入する方法など、現場に適した試験を行います。  それにより、地質、厚み、強度、地下水位等のデータを得、基礎設計に反映させます。 特に柔らかい地盤など、場合によっては実際に地盤下の土サンプルを取ることもあります。

flow1-1
flow1-2
flow1-3

<地層・地質の確認>

3トンの支持力の地盤に、4トンの建物が載ると、当然建物は沈んでいきます。 水分を多く含んだ厚い粘土層も、スポンジが水を出すように潰れていく可能性があります。 また、腐葉土には支持力がありません。 地下水位以下の砂地の場合は、地震時に液状化が起こる恐れがあります。  実際にどのような地層でどれくらいの支持力があるのかを確認した上で、データに基づいた基礎設計を行います。

2.地盤掘削調査

地盤検査は、建物の周囲4点と中心の合計5箇所の測定を行います。  データ通りの地層が均等に広がっているかどうか、部分的に強度のない土が混在していないか等、調査データと照らし合わせながら、現場にて目視により確認します。

flow2-1
flow2-2

<スウェーデンサウンディング試験>

鹿沼土や腐葉土が深くまである場合、その部分に強度はありません。 地盤補強工事等の処置が必要となります。 また、地下水位が高く、差し水が多い場合は、基礎周辺に水抜きの処置が必要かもしれません。 実際に、掘削をした底の状態を、見て触って確認し、適切な判断を行うことが大切です。

flow2-3
flow2-4
flow2-5

<ボーリング調査 と 土のpH値測定>

3.配筋・配管検査

基礎に使う鉄筋は、全て生産工場からの出荷証明書を取り、設計通りの強度と化学成分かどうかの検査を行います。 また、その証明書通りのものが実際に現場に搬入されているかどうかの、納入検査も同時に行います。
次に、捨てコンの状態、配筋の精度、鉄筋の太さ・かぶり厚・継ぎ手長さ等、設計通りに施工されているかを確認します。

flow3-1
flow3-2
flow3-3

<砕石厚検査 と 配筋検査>

flow3-4
flow3-5
flow3-6

<止水対策 - 配管位置と補強筋 - 埋め込み配線>

コンクリートの打設方法に打ち継ぎがある場合は、打ち継ぎ部の止水対策を。  配管スリーブの設置をした後には、スリーブ周りの補強筋を。  基礎内に埋め込む配管や配線の検査も同時に行います。
基礎の立ち上がり施工時には、アンカーボルトとホールダウン金物が正しい位置に、適切な強度のものが施工されているかも大切です。

flow3-7
flow3-8

<アンカーボルトとホールダウン金物 の 品質検査>

4.コンクリート受入検査

コンクリートは生ものです。  設計通りに配合されていても運搬に時間が掛かってしまうと、水分が蒸発し、性質が変わってしまいます。  生コン工場へ発注をした配合通りのものが来ているかどうか、基礎に打設をする直前に、現場にて実験によりその品質の検査を行います。

flow4-1
flow4-2
flow4-3

<コンクリートの受入検査>

コンクリートミキサー車から生コンを採取し、コンクリートの固さを表すスランプ値、作業性や硬化時の耐久性を決める内部空気量の確認を行います。  気温の低い季節では、気温による強度の補正をかけ、設計強度よりも高い強度のコンクリートが来ているかどうかの確認も行います。

5.基礎工事完了検査

型枠を外す際には、基礎表面のジャンカ(空隙)や亀裂が無いか。  金物に異常がないか。  基礎天端レベルの精度と、対角・直角の精度は許容範囲内か。  基礎表面に打ち込む断熱材がある場合は、断熱材の状態の確認。 土台を敷き始める前に、基礎全体の最終検査を行います。