地盤調査

家を建てる前、設計をする際に必ず必要となるデータのひとつに「地盤調査データ」があります。

どんなに小さな家でも、どんなに頑丈な家を建てる場合でも、地盤調査は必要です。

地盤調査には様々な方法がありますが、住宅設計時に良く使う方法が「スウェーデンサウンディング試験」という方法。 「SS試験」と呼びます。

先の尖った鉄のヤリに、鉄の重りを載せて、ぐるぐる回しながら地面に差し込んで行きます。 25センチ差し込むのに何回転させたか、何十キロの荷重を掛けたかを計測しながら地盤の強度を調べます。


地盤が緩い場所では、回転することなく差しただけで地面に入っていきますが、硬い地盤では重りを載せた上、何回まわしても入っていきません。

木造住宅の場合は、この方法による地盤調査が最適です。


自走式のエンジン付きの機械もありますが、傾斜地であっても人力で運べるサイズの測定器があるため、家を建てられる場所であればどこでも調査可能です。


実際に地盤下の土を採取しながら調査をするには高額な「ボーリング調査」をしなければなりませんでしたが、最近では手頃な価格のSS調査であっても、こういった特殊な器具を使って地中の土を採取してくれる業者も増えてきました。

調査を横で見ながら、突然緩くなったり硬くなったりする場所や、基礎の底面が接する場所の土を、こうして見せてもらうこともできます。
今までは掘ってみなければ分からなかった土質を見ることができるというのは、数字だけからは判断が難しい場合に役立ちます。
例えば、基礎の底面が接する部分に「鹿沼土」のような柔らかい土があると、その層の土は取ってしまわなければ家は建てられません。
取ってしまうということは、そこに代りとなる何らかの地盤補強工事を入れなければなりません。
杭を打つのか、砕石を入れるのか、セメントで土を強く固めるのか、基礎工事費用に関わってくる判断を必要とします。
予定外の地盤補強工事が発生してしまうことで、そちらに何百万も予算を取られてしまい、家の面積が減ってしまったということは良くあることです。

SS調査を行うことによって、こんな調査結果が出てきます。


1行が25cmの深さを示しています。
4行で1m。
右の棒グラフが地盤の強度です。

棒グラフが右に向かって長いほど、地盤が強い、硬い、事を示しています。
右端の数値が、ある計算式によって換算された地盤強度。

一般的には建物の周囲4ポイントと、真ん中1ポイントの合計5ポイントの測定をします。
5か所のデータを見ながら、またこの地盤強度の数値を使用しながら、基礎の設計をします。

地盤強度が3トンの場所に、4トンのものを載せると、沈みます。
右端が1トンの強度、左端が5トンの強度の地盤の上に4トンのものを載せると、柔らかい方だけ沈みますので、時間と共に傾いていくことになります。

そういったことを考えながら、地面の中がどうなっているのかを数字と経験を元に基礎の設計をします。
計算結果は数字の集まりですので、その数値を元に基礎図面を描き、初めて基礎屋さんが工事を行くことが出来る訳です。

地面の中や基礎のコンクリートの中のことはなかなか想像することが難しいですが、見えないところこそ、きちんと作りたいですね。

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一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。