カクカクした平面にキッチンをプランしてみる(パースの描き方)

ドームハウスの平面は、カクカクとした多角形です。
長い辺と短い辺が交互に並び連なっている10角形。

5カ所の短い辺は、ドーム屋根全体の重さを支えている頑丈且つ大切な構造体。
5カ所の長い辺は、エクステンションを付けたり、掃き出し窓を付けたり出来る、ドーム屋根の下の空間とドーム外の空間をつなぐことが出来る部分になります。

短い辺は取ることは勿論、窓のような大きな穴を開けることも出来ません。
長い辺は自由にいろいろなことが出来る辺になります。

ドームハウスの間取りは、この約束事の元で考えていくことになります。

 

こんなカクカクした平面形の上に、窓を付けられたり付けられなかったり、って大変そうですよね。
プランニングも、慣れてくると鉛筆で描いた線が浮かんで見えてくるのですが、なかなかその楽しい空間性をあなたに伝えるのが難しく、いつも苦労しています。

特に五角形のドーム屋根がのっかっている短い辺は、五角形の屋根が室内側に倒れてくる為、天井近くでは室内空間が狭くなってしまいます。
例えば、家具や冷蔵庫を置こうと思っても、上の方で倒れてくるドーム天井にぶつかってしまい、置く事が出来ない場所があります。

そんなことを考えながら、プランニングをしていきます。

具体的にはどんな風に考えれば良いのでしょう。

ここにキッチンの間取り提案があります。

L型の製作物キッチンカウンターで、シンクはリビングの方に置き、先にある家族のテーブルや掃き出し窓からの外の景色、TV等を見ながら台所仕事ができる配置です。
コンロは換気扇が目障りにならない奥の方。
長い辺の外壁に面していますので、窓も付けられます。
冷蔵庫は飲み物をリビングから取りに行き易いように、キッチンの入り口に。
短い壁の方は、上に載っているドーム天井がせまってきていますので、あまり背の高い物は置けません。
コンロの横には小さな家電や家具。
ワインクーラーやワゴンを置きます。
奥の余ったスペースを食器棚にしてみました。

 

さあここで、このプランを立体的に見てください!
というのは酷でしょうか。。。
住宅広告などによく出ているのもこんな感じの平面図が多いですよね。

これ、最先端の3dコンピュータ・グラフィックを使わなくても、簡単に?3d化出来るんです。

今回は一点透視という立体図の描き方で、内観パースにしてみましょう。

まず、絵の中心となるポイントを決めます。
部屋中を見渡したいですので、部屋の中心が良いですね。

そのポイントから外に向かって放射状に、仮線を引いていきます。

こんな感じ。

設定したポイントから、それぞれの角、曲がっている所をつなぐように描くのが良いです。

放射状の仮線の中心が部屋の低い方、中心から離れると部屋の高い方になります。

 

平面図上にある壁や冷蔵庫などの線が床の部分になるように、外部に向かった仮線上に立体化してきます。
中心から離れる方が室内の上の方を表しますので、中心から引く線が長ければ長いほど、背の高いものと言うことになりますね。

仮線を消して色を塗ると、こんな風な3dパースができあがります。


左上の方に五角形を形成している三角パネルが3つ見えていますね。
これが手前に倒れているので、冷蔵庫が置けないというのが分かります。

ちょっと狭いですが、いろいろな機能が凝縮していて、使いやすそうなキッチンプランができあがりました。

カクカクしたドームハウスの平面形状ですが、全く心配いりません。 こんな風に楽しそうな部屋が出来るんです。

あなたのお城に如何でしょうか?

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることが出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。