シロアリが来る

先日、断熱材の話と併せて、シロアリ被害の写真を載せました。

断熱材でシロアリ防御

2017.11.09

シロアリの被害を防ぐ方法は、シロアリの巣を見つけて殺虫するか、防蟻材を塗って殺虫したり防虫する事が考えられます。

殺虫剤には、毒性が高い成分が入っています。 以前はこれを家の周りに塗り、蟻を直接殺す方法が多く取られていました。 蟻はコンクリートである基礎部分を登り、基礎と木製の土台の隙間を通り、室内に入って行きます。 地面から1mくらいまでの木部全てに防蟻材を塗っておけば、基礎から上に登った蟻は、体に毒が付いて全て死んでしまうという理屈です。 古い家は床下が土です。 蟻にとっては、誰にも見られることなく、こっそりと家の中に侵入することが出来、土台や柱が痛んでいれば、木材の中を食べながら屋根へと登って行くことが出来ます。 ですから床下全てに塗布するという方法が取られていたようです。

防蟻材には毒性の高い薬品が含まれていますので、家の中には使用したくないということから、私たちは自然由来のホウ酸を使います。 これも同様に床下全てと、外部に面した壁面の地面から1mくらいの高さまでの木部に、散布して使用します。 特に床下を室内と同じ空間とする作り方の場合は、床下に強い薬品を使用してしまうと、室内にその揮発成分が入ってきて知らぬ間に吸ってしまいますので、健康被害を考えると防蟻対策の方法はよーく考えなければなりません。

シロアリは、どこか外からやってきます。 では一体どこにいるのでしょう。
家から何mも離れているところに倒木や切り株がある光景は、ぎゅうぎゅう詰めの都心部でなければ良く目にします。 倒れている木や切り株は、数ヶ月で菌類が発生し、腐敗菌が繁殖し、ぐずぐずになってしまいます。 周りはきれいに見えても、砕いてみると中にシロアリの巣が出来ている事は簡単に発見できます。

倒木や切り株を、人力で片付けるのはなかなか大変な作業です。 費用も掛かってしまいますので、そのまま放っておいて、腐って土に返るのを待ったりするものです。 シロアリがいても、片付けてくれてるなぁ、と特に気にも止めません。

しかしあるとき、その場から数m離れた家の中でシロアリを発見したことがありました。 これは相当な衝撃でした。 シロアリは乾燥に極度に弱いため、地面を歩いて移動すること出来ません。 またその家は、室内も床下も機械による乾燥により、シロアリが耐えられる湿度ではありませんでした。
え、どこから?

これは家の周囲に散乱している、切り株や倒木からとしか考えられません。

良く庭の隅にある切り株ですが、、、

 

春の暖かな日に、、、

 

近寄ってよーく見ると、、、

シロアリは乾燥に弱いため、家の中でも室内に出てくることはありません。 唯一、春先の暖かいぽかぽか陽気の日に、自分たちの新しい巣を求めて羽蟻が飛び立つ時にだけ、大量に表に出てきます。
シロアリのいる切り株からは、表面が見えなくなるほど、何百、何千匹もの羽蟻が這いだしてきて、空へ飛び立ちます。 春の日ざしの下、風に乗って舞い上がる様子は、きらきらと羽が日光に反射して美しい光景なのですが、大量のシロアリの引っ越しだと知ってしまうと、恐ろしい光景です。

この時期同じ日に、切り株からだけでなく、家の中にも羽蟻が現れました。 これは同じシロアリ家族なんじゃないか、、、というのが切り株を犯人だと考えた理由です。

侵入してきた羽有りは、羽を落とし、ペアになり、、、

 

ペアで連なって、定住の地を探して回ります。

乾燥した家では、シロアリは生きていけません。 そこで、歩く通路には自分で蟻道という土で出来たトンネルをつくり、その中を移動します。 それほど乾燥が嫌いなのです。 普通の黒蟻のように、地面をちょろちょろと歩き回ることなど出来ません。 機械乾燥させた桧材だけから作った、からっからの家。 壁も屋根も通気層を設けて乾いているはず。 どうしてそんな環境でシロアリが出たのでしょうか。

専門家によると、シロアリは夜の間は家の中には留まらず、なんと巣に帰っているのだそうです。 いわば、通勤しているんですね。
乾燥しきった家の中には長時間留まることが出来ません。 乾燥して死んでしまう前に、土の中のトンネルを通り、切り株の家に戻って水分補給をしているのだそうです。
切り株の中は水分が豊富にあります。 そこで体調を整えて、遠征に出てるんですね。

隅っこに一匹。

朽ちている木をめくってみると、、、

急いで切り株や倒木、薪にしようと思いながら積み上げたままで腐ってしまっている木を片付けて回りました。
床下にはホウ酸を塗布してあるため、そこを歩くだけでシロアリは死んでしまいます。
食べるものもなく、歩くと死んでしまう環境の中へでも、新しいすみかと食料を求めて入って来るんですね。

なるべく家の周りには、倒木等を積んでおかないようにしましょうね。

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一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。
山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。