断熱材でシロアリ防御

こちら、ドームハウスの天井に断熱材を施工しているところです。

断熱材には多くの種類があります。 機能、性能、施工性、価格などにより決めていきます。

私たちが良く採用する断熱材は、グラスウール、発泡性の吹付断熱材、そしてこの現場でも採用した 「麻入り、セルロースファイバー」 です。

セルロースファイバーは、性能、価格共に上級ランクになるのですが、安心を求めて採用することが多い商品です。

三角の複雑な形状でも、隅々まで吹き込むことが出来るため、断熱材の隙間(空隙)に結露を起こす心配がありません。

麻の繊維が入ったセルロースファイバーは、他の物のように壁の中で沈み込み、下に落ちてしまう心配もありません。

防音、防火性能は勿論、湿気を吸ったり出したりする調湿性能にも優れています。

壁の中の湿気は、家の寿命を短くしてしまう主要な原因の1つです。

壁の中の湿度が高いと、結露を起こし、その水分を木材が吸い、カビが生え、腐敗菌が増え、シロアリが入る、という流れで家は崩壊していきます。

この衝撃的な写真は、天井をはがし、屋根の中を写したものです。


壁も天井も、まだとてもきれいなのですが。。。

築30年も経っていない家ですが、屋根を支えている構造材である垂木がボロボロ。 これは正に先程の順番で、最後のシロアリが入ってしまい、材料が無くなるほど食べられてしまった跡です。

この家、床下も、壁の中も、全くなんともなっていませんでした。 結露でいつも濡れた状態になっていた屋根部分だけに、シロアリが入っていたのです。

調べてみると基礎のコーナー部分に、蟻道といい、アリが土で作ったトンネル状の上り道が出来ていました。 床下の土台や、壁の中の柱は乾燥していてあまり好みでは無かったのでしょう。 腐っている屋根まで登り、垂木だけを徹底的に食べ尽くしていました。

こうなってしまうと、屋根の荷重を支えることが出来ません。

私たちは地域柄、森の中に家を建てることが多いですので、シロアリ被害は心配です。

木を切った後の切り株や、伐採後に転がしておいた丸太、薪にしようと思って置いていたのが、いつの間にか腐ってしまった丸太。 そんな木が、あっという間にシロアリの巣になっていることを頻繁に目にします。

森に住んでいると、慣れてしまって全く気にならない様な存在です。 カビ菌や腐敗菌、シロアリが居るから倒木が朽ち、栄養分の豊富な土が出来る訳ですから、森の中では害虫ではなく益虫なのでは、と思うほどです。

しかし、これが一歩家の中に入ると、これほどまでに大変なことになってしまうのですから、怖いですよね。 対策は打っておきたいものです。

そこで、先程のセルロースファイバーなのです。 セルロースファイバーには、防虫剤としてホウ酸が添加されています。

ホウ酸は自然界にある鉱物ですので、人や動物の体内に入っても腎臓の働きにより身体の外に出され、健康被害は起こりません。

塩と同じようなもの。 食塩も大量に飲むと健康被害を起こしますので、それと同程度のものだそうです。

このホウ酸、床下や外壁通気層の地面から1mくらいの高さまでは、噴霧してシロアリ防御対策に使っています。

しかしそれでもどこからか壁の中に入ってしまったとすると心配です。

そこで、壁の中にホウ酸の添加されたセルロースファイバーがしっかり詰め込まれていると、安心なんですね。 シロアリが歩くかもしれない壁の中全体にホウ酸が入っていますので、防虫効果が期待できますので。

ちなみに、ホウ酸が吹き付けられている所をアリが歩いてしまうと、すぐにそのアリは死んでしまいます。

暑さ寒さだけでなく、防虫効果まであり、家の寿命を延ばしてくれる天然由来の材料であることが、セルロースファイバーの良いところなのです。

こちら、麻入りセルロースファイバーの(株)マツナガさんHPからの抜粋です。

セルロースファイバーって、こんなものです。

 

施工の方法1

 

施工の方法2

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。
山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。