ドームハウス開発、大学との協同研究(その1)

昨年末から準備を進めていました大学との協同研究の様子をお伝えします。

 

構造的な強度実験に先立ち、建築を学ぶ学生たちと共に「木造フラードーム」の組み立てワークショップを行いました。

学生たちにフラードームと建設手順の説明中

1日目は、ドームを組み立てる為の地盤面となる、プラットフォームづくりです。

ドームのフレームは、真っ平らな所でなければ、組み上げる事ができません。

どこかに1mmの歪みがあるとすると、隣のパネルではそれが2mmに、更に隣では3mmにという具合に、だんだんと歪みが広がって行き、入らなくなる三角パネルが必ず出てきてしまいます。

合板でまっ平らな床を作り、ドームフレームを載せる事が出来る様、土台を敷くところまでが、一日目の作業です。

職人さんの説明の元、床下枠の組み立て

まずは、凸凹している地盤を測量機器のレーザーレベルで測っていきます。

建築現場に関わる機会の無い学生たちには、レベル測量も始めての経験です。

直径5mのドームを建てるための床面は、3x6板(さぶろくばん)を6行x3列、5.46m角に並べた大きさです。

その床下、1.82mピッチ、1坪毎にコンクリート板の置き基礎を設置します。

地面は平らに見えても、測ってみると高低差が10cm近くあります。

土を掘って平らにするのは難しいため、30cm角のコンクリート板を地面に置き、その上にネジ式で高さ調整が出来る束を置き、束の天端が平らになるように調整しながら設置していきます。

平らな部分が出来たところで、前もって組み立てておいた木枠を載せていきます。

1.82m角に組み立ててある木枠を、学生皆でビス留めして行きました。

インパクトレンチを持つのも使うのも初めての作業ですが、丁寧に順番に組み立てていきました。

枠が組み上がったところで、その上に28mm厚のネダレス合板を打ち付けていきます。

しっかりと構造枠まで届く様、長い根太打ち専用ビスを使い、頑丈で真っ平らな床面を完成させました。

真っ平らな面が出来たところで、次はドームを上に載せる為に、床とドーム三角パネルの間に入る、特殊な形状の土台を設置します。

フラードームの接地面は15角形。

しかし、正15角形ではありません。

2種類の長さの辺が存在します。

その2種類の長さの辺を床に描いて行く前準備として、まずは直径5mの円を描きます。

長い棒の中心に穴を開け、床面に釘で固定。

反対側には2.5m先にちょっと大きめの穴を開け、鉛筆を指します。

釘を中心軸に棒を回転させれば、直径5mの真円を描くことが出来ます。

規則通りに、2種類の辺を、円に接するように描いていくと、フラードームの土台の下絵が完成。

特性定規で円を描く

墨壺を使って、ネダレス合板面に墨を打って行くと、きれいな15角形がプラットフォーム面に浮かび上がりました。

線の通りに土台をビス留めしていき、1日目の作業、無事終了です!

完成したプラットフォームと、積み上げられた三角パーツ

さて2日目。

待ちに待ったドームの組み立て作業です。

木造フラードームのフレームは、何日も前から加工場で準備をしてきたものです。

いつも使っている赤みがかった美しい「東濃桧」を材料とした、直径5m高さ2.1mのフラードームです。

ドームハウスとは異なり、エクステンション部分も三角パネルを組み込む為、全75枚の三角形パネル。

床設置面が平らでなければならない為、3種類の三角形から構成されている新型フラーです。

新型フラードームの秘密

2017.01.03

 

5角形の組み立て作業

2日目は30人近いの学生が集まり、夏の強い日差しの下、5角形と6角形、そして台形を組み立てます。


フラードームの最下段、完成

3枚のパネルから成る台形と、5角形を交互に土台の上に並べて行くと、最下段が現れ、なんとなくドームっぽくなってきました。

6角形の組み上げ作業

次は数人の女子学生が、前もって組み立てておいた6角形を外側から台形の上に載せていきます。

6角形パネルは内側に倒れているため、内側で待ち構えていた男子学生が6角形を受け取り支え、パネル同士をボルトで留めていきます。

簡単そうに見えてこれがなかなか難しい作業で、右を合わせると左がずれて、左を合わせると折角合わせておいた右がずれる。 玄翁(げんのう:とんかち)でコツコツ叩きながら、良い位置にパネルを合わせる作業を地道に行います。

6角形を5つ組み立てると、残るはてっぺんの5角形のみ。

みんなで持ち上げ、順々に手渡しをしながら頂上まで持ち上げて送ります。

5角形の穴に、組み立てた5角形パネルが「スポッ」と納まったときには、皆から自然に拍手が湧き上がりました。

最後の微調整は男子学生と棟梁の仕事です。

どうしてもずれてしまっている場所を、叩いたりバールで引っ張ったりしながら、全てのパネルが良い位置に来るように調整をします。

全てのパネルが上手く納まったところで、ボルトを強く固定。

美しいフラードーム、 完成です!

後ろの建物は図書館です。

これから数ヶ月の間、図書館から見えるモニュメントとして、学生達の目を楽しませてくれる事でしょう。

 

警備員の方や、事務職の方など、既にいろいろな人が不思議がって立ち寄ってくれています。

大学の広報の方にも、撮影、取材に来て頂きました。

建築の面白さを、肌で感じることが出来るワークショップ、大成功でした。

次は、このモデルを使った実験が始まります!!

 ★☆ 専門家 ☆★(その2)

2016.12.27

研究開発

2017.03.31

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。