ドームハウスは暑くて寒いのではないか?(その3)

壁の中に空気を通す仕組みを「通気工法」といいます。 壁の中と言っても温度差や内外の環境変化が著しい外壁面に限ってのことです。 家の外壁は、寒冷地では外がマイナス10℃以下で、中がプラス20℃。 その差は30℃以上にもなる、ということもあります。 この温度差、例えるなら冷蔵庫の中と外の差くらいになります。 冷蔵庫の中の温度は、だいたい3℃~4℃くらい。 冷凍庫ならマイナス18℃くらいです。 寒冷地でなくとも、外気がマイナス1~2℃にはなりますので、室内が20℃以上となると、冷蔵庫とやっぱり同じですよね。
家も、それくらいの温度差に見舞われているのですから、厳しい環境下に置かれているということが言えます。

この外壁の内部、室内側は布団をかぶせるように断熱材でくるみ、暑さや寒さをシャットアウトします。 しかしその布団の中に湿った空気が入ってしまったとなると、結露になる前に外に出してしまいたいです。 そこで、外壁の中の外よりの方に、空気の通り道を作ってやります。

空気は暖められると上昇気流となり、上へと上がっていきます。 狭い空間で発生した上昇気流は、上部の排気口めがけて、自然と強力に抜けていきます。 そんな状態を、壁の中に作ってあげるのです。



この上昇気流を起こす為の隙間を、通気層と呼びます。 通気層内を流れていく空気は、下の給気口から新鮮な空気がどんどんと供給されるため、いつも新鮮な状態を保ちつつ、壁の中の湿気を外に運び出してくれます。 晴れている日の方が、壁面が太陽に温められて温度差が激しくなり、上昇気流も多く発生します。 乾いた空気がいつも壁の中を流れて、断熱材の中だけでなく、柱や梁、壁の下地材まで、家中を乾燥してくれます。 木材は乾燥することにより、強度が増し、カビや腐れ、虫を防いでくれます。

例えばシロアリは、乾燥した木材には入りません。 湿った木材にカビが生え、カビを食べる小さな虫や細菌が付き、腐敗菌が活発になって木を腐らせてしまうと、そこにシロアリが好んで入るのです。
壁の中を乾燥状態に保つことは、このような環境になることを防いでくれます。

建物の寿命を延ばすことと併せて、もう一つの大きな効果が、室内温度を一定に保ってくれることです。 屋根裏部屋(小屋裏の換気空間)があると、その空間がクッションになり、室内は外気の影響を受け難くなります。 全ての壁の外に通気層があれば、このような屋根裏部屋が、壁の外側にあるのと同じ状態。 外から中に伝わろうとする熱を、通気層がシャットアウトしてくれます。 特にドームハウスは屋根の面積が広いです。 空高くから降り注ぐ太陽熱射をまともに受けます。 しかし、ここでも通気層があれば、日が当たると壁内部での上昇気流が激しくなりますので、どんどん壁の中の換気をしてくれます。 それと同時に、熱せられた外壁表面の温度も、この気流と共に外に排出してくれます。

屋根が広いドームハウスだからこそ、屋根面の通気層はあったほうが良いんですね。

結論としまして、高気密、高断熱とし、且つ、外通気とすれば、暑くもなく寒くもない、過ごしやすい室内環境をつくり保つことが出来ます。



ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
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ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。