フラー博士のドームハウス

1959年~1971年の12年間、フラー博士と奥さんのアンがイリノイ州のカーボンデールに建設して住んでいたドームハウスが、NPO法人によって保存されています。 世界各国に多くの業績を残したバックミンスター・フラー博士ですが、 この小さなドームが、唯一、彼自身が所有し住んでいたドームハウスです。

buckysdome1 buckysdomeoriginalblueprint_2

直径11m、高さ5mのドームハウスですが、特徴的なのはその形。 屋根そのものがドーム、ドームそのものが家全てを構成している家になっています。

buckysdome2

一般的なドームハウスは、ジオデシックドーム部分を屋根として使います。 そのドーム屋根の下に、垂直な壁を立てて家とします。
しかし、オリジナルのこのドームハウスには、立ち壁がありません。 屋根の中に住居部分を組み込んでいるのです。
非常に簡素であり、削れるところは全て削り、完全に機能を重視した設計です。

bucky_plan_1f_600_2

プラン構成を見ると、玄関風除室はなく、ダイレクトに中へ入ります。 2帖ほどの玄関スペースを通り、吹き抜け空間のリビングへとつながります。 ドームの丁度半分をロフトとしてあるため、右半球が天井高5m弱のドーム状吹き抜け空間。 左半分が、1階では天井のある個室空間です。 その上の2階は、天井の低いロフトになっています。

buckysdome3

buckysdome4
天井のある左半分には、水廻りと寝室、キッチンがあります。 キッチンは玄関の反対側に配置してあるため、壁で仕切ることのないキッチンですが、リビングと一体空間の中にあるにも関わらず、玄関からは見えません。 また、キッチンシンクをドーム中心側に設置してあることにより、リビングから洗い物やコンロ、キッチンの手元が見えないような配慮も伺えます。 同様に、冷蔵庫もリビングから見えない様、わざわざ側面を隠す壁を立ててあります。

主寝室はトイレ・浴室付きで、お客さん用のシャワー室兼トイレが別に設けてあるところが、「個」の空間、プライベートな部分を、徹底して確保する西洋的なプランニングになっているように感じられます。 また、パーティー等で、人を頻繁に招いても大丈夫な構成になっています。

bucky_plan_2f_600_2jpg
2階は仕切りのないロフトのみ。 完全な屋根裏部屋で、書斎としてあります。 吹き抜け側を手すりのみとし、壁を造らないことによって、ドームの空間性を最大限感じることが出来る屋根裏部屋です。 天窓をいくつも付けることによって、屋根裏ではなく居室として、書斎としての機能性を高めてあります。

buckysdome5

世界で初めての、人が住むためのドームハウス。
半世紀以上前につくられた家ですが、現代の私たちの暮らしに、そのまま取り入れることが出来るものになっているところが素晴らしく、また設計思想が随所に感じられる驚異的なドームハウスなのではないかと思います。

buckysdome6

ん~、すばらしい、、、
どなたか、このままの設計でお作りになりません?(^^)

ドームハウスにご興味をお持ちの方へ

一人で家族のみの協力の下で始めた、森のドームハウス建設に始まり、
ドームハウスの専門家が集まり始めたドームドリーマーズを経て、
より多くの方々への情報を伝えるためのドームハウスインフォ設立に至りました。

 

お陰様でドームハウスの実績や活動内容も充実してまいりましたので、
カタログを制作してお届けすることができるようになりました。

ドームハウスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

catalog

ABOUTこの記事をかいた人

和田 啓宏

一級建築士事務所 studioPEAK1(スタジオピークワン)代表。 山梨の県北、南アルプス山脈甲斐駒ヶ岳の懐に位置する白州町の森にて建築・設計活動をしています。白州に活動の場を移して十数年。この自然の中でしか感じることの出来ない事を学び吸収し、建築に反映してきました。技術力やデザイン力のみではなく、心からわくわくし、楽しくなる建築をめざし日々精進しています。